「最初はクマかと思った」「尻から柔らかい内臓まで食べたようだ」ヒグマにウシが襲われた北海道別海町で今度は【野犬】による被害相次ぐ 計6頭がかまれ犠牲に 酪農家も困惑
UHB 北海道文化放送
「こちらの放牧地でウシ3頭が死んでいて、さらに柵をなぎ倒し、逃げ込んだ先で1頭が死んでいました」(目黒悦男 カメラマン) 6月16日、北海道別海町上春別地区の牧場で、放牧中のウシ78頭が野犬の集団に襲われました。このうち4頭の乳牛が死んでいるのが見つかりました。
「イヌの足跡がたくさんあった。尻から柔らかい内臓まで食べたようだ」(前嶋牧場 前嶋敏浩さん) ウシは顔や尻などをかまれていて、現場の足跡や痕跡などから7~8匹の野犬に襲われたとみられます。
周辺の牧場では5月から野犬による襲撃が相次いでいて、これまでに合わせてウシ11頭が襲われ、そのうち6頭が死にました。 「最初はクマかと思った。この牧場にも足跡があったことがある。今までこんなことはなかった。飼い犬を捨てることは絶対にあってはならない」(西田牧場 西田尚さんん)
北海道東部の牧場というと、ヒグマの『OSO18』による被害が記憶に新しいところです。 2019年から66頭もの牛を襲い「忍者グマ」の異名で恐れられていましたが、2023年にようやく駆除されました。
しかし2024年5月には、別海町の牧場で子ウシ8頭がクマに襲われ、4頭が死ぬ被害があり、再びクマへの警戒が続いていました。 そんな矢先に、今度は野犬による被害が出たのです。
町では緊急性が高く被害拡大を防ぐため、牧場周辺に捕獲のためのわなを設置しました。 今後、野犬による被害は拡大する恐れはあるのでしょうか。
札幌市円山動物園参与の小菅正夫氏によりますと、人の手を離れたイヌは群れを作り、あっというまに「オオカミ化」してしまうとのことです。 「オオカミ化」とは一頭では生きていけないので、群れで暮らし、集団で狩りを行ったりするオオカミの習性が蘇ってくるということです。 小菅氏は今後、子どもが生まれて野犬の群れが巨大化するのを防ぐには、全頭捕獲するしか対策はないと断言します。
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