スペースワン「結果を前向きに捉えて次の挑戦にのぞみたい」カイロス2号機の打ち上げに大勢が歓喜も…わずか3分後『飛行中断措置』 見学者「あきらめない限り失敗はない」
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小型ロケット「カイロス」の2号機が、12月18日午前11時に和歌山県串本町から打ち上げられました。 (川地洋平アナウンサー)「飛び立ちます。大きな光があがりました。順調に宇宙へと向かっていきます」 大勢の観客が見守る中、日本初の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から大空へと飛び立ったカイロス2号機。 (見学者)「やった~!うわ~!」 (見学者)「飛んだ~!すご~い!」 (見学者)「がんばれ~!がんばれ~!」 (見学者)「飛びました!最高ですー!やりましたね!」 念願の“打ち上げ成功”と多くの人が歓喜にわく中、打ち上げからわずか3分後、ミッション達成困難との判断で「飛行中断措置」がとられました。 宇宙ベンチャー企業「スペースワン」が小型衛星を宇宙へと運ぶ「宇宙宅配便」を目指し開発した小型ロケット「カイロス」。国内初となる民間単独での衛星の軌道投入成功を目指し今年3月、「初号機」の打ち上げが行われました。しかし… (大吉洋平アナウンサー ※今年3月)「いまオレンジ色の炎が見えました。ただ、上空からはロケットの様子がはっきりと確認できません」 打ち上げからわずか5秒後、空中で爆発。失敗に終わりました。 (アナウンス)「点火後に爆発して機体がバラバラになった」 (見学者)「えー!」 (見学者)「あーショック」 (スペースワン 豊田正和社長 ※今年3月)「スペースワンとしては失敗という言葉は使いません」 カイロスを開発する宇宙ベンチャー企業「スペースワン」は、爆発の原因を徹底的に調査。次の打ち上げに向けて準備を進めてきました。 (スペースワン 遠藤守取締役)「前回の打ち上げ5秒で破壊するという事態になったわけですが、あのような事態はない」 初号機は打ち上げ後の速度が予測よりも遅く、安全な飛行範囲を外れてしまいました。そのためロケットが異常と感知し自らを爆発させました。そこで2号機は速度の予測を改良したといいます。 (スペースワン 遠藤守取締役)「燃焼速度の予測値を見直していますので、打ち上げができるようになったと思う」 「カイロス」2号機には初号機よりも多い5基の衛星を搭載し打ち上げられることになりました。 当初予定していた12月14日は、打ち上げ直前に発射場上空の強風により“打ち上げは危険”と取りやめに。翌日15日も強風の影響で打ち上げは中止。 そして満を持して迎えた、12月18日。打ち上げを見届けようと平日にもかかわらず多くの人が詰めかけました。 2号機は大空へと高く飛び立ちましたが「飛行中断措置」がとられ成功とはなりませんでした。 (見学者)「残念やった」 (見学者)「いままで上がらなかったですからね。上まで行きましたので、また次頑張ってほしいと思います」 (見学者)「(成功では)ないけど。われわれは感動をもらいました。今度こそは宇宙に行ってほしいですね」 (見学者)「あきらめない限り失敗はない。成功するまでやったらそれは成功」 18日午後2時半すぎ、会見を開いた「スペースワン」は… (スペースワン 遠藤守取締役)「打ち上げから80秒すぎに1段目のノズルの駆動制御に異常が発生したことがわかっています。西側に飛行が徐々にずれていった。計画していた飛行経路のあらかじめ設定している限界線を越えたために、飛行中断が行われたと考えております」 異常が発生した原因については対策本部を立ち上げ調査を行うとしました。 (スペースワン 豊田正和社長)「この結果を前向きに捉えて次の挑戦にのぞみたいと考えています。今後もスペースワンは失速することなく、小型ロケットによる打ち上げサービスの実現に向けてまい進させていただきます」
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