さあ、後は首位・巨人に追いつき、追い越すだけ。阪神は残り10試合。今季が球団創設90周年の節目のシーズンで、4年ぶりのリーグ優勝を目指す巨人も必死です。9月に入り、8勝5敗。残り12試合にすべてを懸けて臨みます。今週末の本拠地・甲子園での巨人2連戦（22日、23日）は今まで見たことのないような強烈な戦いになるような気がしますね。阪神の連覇か、それとも巨人の4年ぶりの覇権奪回か－。

こうした状況下、阪神球団の舞台裏では新しいOB会長選出の動きがありました。12日に西宮市内で行われたOB役員会で、改めて次期OB会長としてミスタータイガース・掛布雅之氏を推すことが一本化されました。14年間、OB会長を務めた川藤幸三氏が今季限りで退任することに伴う人事なのですが、これまで掛布氏自身は「気持ちは受け取っています。でも白紙です」と固辞してきた背景がありました。しかし、OB幹事会の水面下での粘り強い交渉の結果、掛布氏自身が軟化したようです。12月に行われるOB総会での〝政権交代〟は確実な流れになったのです。

「掛布さんも流れはよく分かっている。もう外堀も内堀も埋められたと思っているんじゃないか？（笑）。誰がどう考えたって、掛布さん以外に適任者はいない。それは本人が一番、感じていることでもあるでしょう」とOBの一人は話しました。

誠に手前みそですが、7月15日に東京ドームで開かれた巨人－阪神OB戦のベンチ裏でのやり取りを取材し、「『掛布OB会長待望論』が渦巻いたレジェンド対決の舞台裏　ミスタータイガースの決断は」＝7月19日アップ、鬼筆のスポ魂＝と書きました。その時、大物OBの一人は「本人がいくら固辞しても、粘り強く就任をお願いするしかない」と話したことを紹介しました。最終的には掛布氏もOBの熱意を受け入れたということなのでしょう。

■ノムさんはOB会長と反目

川藤OB会長が毎日のように試合前の阪神ベンチに姿を現し、後輩たちの練習風景を見守り、優しいまなざしで現場をバックアップしてきたことは誰もが知るところです。チームに対する愛情はほとばしっています。阪神というチームは熱狂的なファンに囲まれ、注目度の高さから日本のプロスポーツのチームとしては最もマスコミの数も多い特異性があります。そして過去には、OBのさまざまな声が時には異様なまでに注目を浴びたときがありました。