韓国メイクと加工アプリの影響で変化した“すっぴん”の定義 美容医療においても変化より“ほどほど整形”が主流に
著名人から一般人までSNSに「すっぴんです」と投稿する人が増えた。かつては「ノーメイクでは外出できない」「すっぴん、無理」とネガティブに受け止められがちだったすっぴんも、最近は韓国から発信される“すっぴん風”クアンクメイクの影響からポジティブワードに変わっている。しかしSNS投稿は加工がデフォルト。果たしてそれは本当に“すっぴん”と言えるのか? 変わりつつあるすっぴんの定義と、それに伴う美容医療のニーズについて、共立美容外科の實藤健作医師に見解を聞いた。 【写真】柏木由紀「アイドルがここまで見せるの凄い」「肌荒れな感じ、親近感湧いた」ガチ“すっぴん”から「メイク濃かった」AKB時代まで ◆無加工写真がない若者も…すでに加工された顔が“デフォルト”だと考えるユーザーが急増 ──SNSで「すっぴん」を投稿する人が増え、かつて以上に「すっぴん」に賞賛が集まっているのを感じます。美容医療でも「すっぴんで美しく」を求める方は増えていますか? 【實藤健作さん】 近年の美容医療で最も人気なのは、美しい素肌を目指す「肌育」です。その意味では「すっぴんで美しくありたい」というニーズは高まっていると言えるでしょう。ただ最近は“すっぴん”の定義がかつてと変わっており、「どこからどこまでが“すっぴん”なのか?」という線引きが難しくなっています。それもやはり写真加工アプリの影響が大きいと感じます。SNSに投稿されている“すっぴん写真”で加工されていない画像は、ほぼないと言って良いでしょう。 ──現場のどのような場面で写真加工アプリの影響を感じますか? 【實藤健作さん】 施術の前には基本的にすべてのメイクを落としていただきます。その上で普段の雰囲気をチェックするために、ご自身の写真を見せていただくのですが、特に若い方の場合、加工なしの写真を持っていない方はとても多いです。現行のカメラアプリは、自分用にカスタマイズができますよね。目は○%大きく、肌の状態は◯◯とか。その設定でしか写真を撮らないわけですから、すでに加工された状態が自分の顔のデフォルトになっているのだと思います。他人のスマホで撮った写真に違和感を覚え、「私の顔じゃない」と感じる方もいるようです。