三井寿は「ひさちん」と呼ばれるはずだった?『SLAM DUNK』ちょっとビックリだった「アニオリ展開」
■アニメオリジナルの超大型選手・内藤鉄也
さらに、この三浦台戦では、内藤鉄也というアニメオリジナルキャラが登場している。 スキンヘッドの姿から、作中では桜木から「バスケをやる坊さん」「スキンヘッドナットー」と変なあだ名を付けられていたが、その正体は、三浦台の監督が秘密兵器としてラグビー部から引き抜いてきていた逸材だった。 内藤は、身長196cm、体重155kgの超大型パワーフォワードだ。本作の代表的な巨漢、名朋工業・森重寛が199cm100kg、山王工業・河田美紀男が、210cm130kgであることから、それと比較しても内藤の体格の良さが分かるだろう。 しかも、内藤はただ大きい訳ではない。100mを11秒フラットで走るフィジカルモンスターでもあり、実際、試合中、彼はジャンプボールで赤木を力でねじ伏せ、桜木を体当たりで吹き飛ばしていた。 しかし、バスケ歴が浅いことからミスも多く、最後は桜木のダンクを脳天に受け、泡を吹いて失神するという可哀そうなものとなっていた。内藤はアニメオリジナルキャラとはいえ、作中でもトップクラスの逸材であったことは間違いないだろう。できればもう少しいい環境でバスケをやらせたかった……。 ちなみに原作で脳天ダンクをされるのは、三浦台キャプテンの村雨健吾だったことは有名すぎる話だろう。
■不良に絡まれる鉄男……そのピンチに現れたのは?
本作と言えば、湘北高校の体育館で起きた“バスケ部襲撃事件”も印象深いエピソードだろう。三井の不良仲間のなかでも無類の強さを見せたのが、タンクトップ姿の鉄男だ。騒動後、バスケ部に復帰した三井と街で偶然出会った彼は三井を応援するかのように「じゃな スポーツマン」と言い、バイクにまたがり渋く去っていく。 原作においては、それ以来登場していない鉄男だが、実はアニメオリジナル展開で再登場している。アニメ第34話「ゴリ直伝・眼で殺せ!」、第35話「男たちの熱き想い」でのこと。 インターハイ神奈川予選3回戦・高畑戦前。三井が会場に向かっていると、不良集団に追われバイクで逃げる鉄男の姿があった。三井がそれを追うと、かつての不良仲間・竜とその連れである鑑別所帰りの鬼頭を中心に、鉄男が集団リンチを受けているところに出くわしてしまった。さすがの鉄男も多勢に無勢……三井もすかさず止めに入るが、バスケ部に戻った彼には何もできず、大事な試合前に逆に絡まれてしまう。 そのピンチに現れたのが桜木と桜木軍団である。襲撃事件から桜木軍団の株は爆上がりだ。その後、鉄男も復活。最終的に「急がねえと試合が始まっちまうぜ」と、三井と桜木を試合に向かわせるのだった。 かつて騒動では敵同士であった桜木軍団と鉄男が背中を預けるシーンには、シビれるものがあった。最後は、竜をボコボコにして決着がついた、アツいアニメオリジナル展開だった。