養鶏場で今季県内初 鶏10羽から簡易検査で鳥インフルエンザ陽性 遺伝子検査結果は20日早朝にも判明か 高病原性なら12万羽を殺処分 鹿児島県出水市
鹿児島県は19日、出水市高尾野の養鶏場で死んだ鶏などの簡易検査で、鳥インフルエンザ陽性を確認したと発表した。遺伝子検査の結果が20日早朝にも判明する見込みで、陽性なら同農場の採卵鶏約12万羽を殺処分する。高病原性と判定されれば今季、養鶏場での発生は県内初で国内10例目。 【写真】発生疑い農場から半径3キロ内と半径10キロ内を地図で確認する
家畜防疫対策課によると、19日午前9時ごろ、系列農協を通じて、北薩家畜保健衛生所に「2羽が近くで死に、周りの鶏も弱っている」との通報があった。疑い農場には窓のないウインドレス型と開放型の2種類の鶏舎があり、異常鶏は開放型で見つかった。同日、簡易検査した全10羽はA型鳥インフル陽性だった。 遺伝子検査で陽性となれば、20日午前7時をめどに殺処分を始め、半径10キロ内の89農場(計約501万羽)で鶏や卵の移動、持ち出しを制限する。県庁で19日夕に開かれた対策本部会議で、塩田康一知事は「高い防疫意識を持ち、まん延防止対策に万全を期してほしい」と述べた。 今季の養鶏場での鳥インフルは、過去最も早い10月17日に北海道で確認以降、11月19日までに7道県で9例発生。過去最多だった2022年季に匹敵するペースで推移している。県内では昨季、出水市と南さつま市で2例発生し、約3万6000羽を殺処分した。今回、陽性が確定すれば5季連続。
農林水産省の畜産統計によると、24年2月現在、県内ではブロイラー約3200万羽、採卵鶏約1020万羽が飼われ、合計で全国1位。
南日本新聞 | 鹿児島