トランプの元経済政策アドバイザーが語った「EV補助金、ビットコイン、日米関係はこうなる」
中国の脅威は?
──中国の脅威はどう見ていますか。 知的財産を盗むのは知られているが、中国に投資するのであれば、その点について注視しなければならない。そのようなシステムや法の支配における欠如を持つ国と取引する場合に存在する潜在的な危険性と落とし穴について、われわれはしっかりと認識しておく必要がある。 ──元SECの委員として、金融におけるAIの役割をどう見ていますか。 コンサルタントとして見てきたのは、クライアントがコンプライアンスを遵守し、金融機関のコミュニケーションを効果的に監視する方法を見つけ、彼らが公明正大に行動するのを確認するのにAIを導入できる、ということだ。さらに重要なことに、AIはトレーダーや他の人々による行動を検出し、きちんと対処されていることを確認するのにも使える。多くのソフトウェア開発者などがAIを使用してシステムを考え出しているので、一部のクライアントは求められるルールを守る解決策としてAIを使用しようとしている。まだ完璧とは言えないが、進化を感じている。ポートフォリオ管理や金融市場の効率化においても、AIは非常に興味深い利用方法を秘めていると思う。 ──AIによって仕事がなくなると心配する人たちもいますが。 ダイナミックな市場を作っていくには、技術力の発展に主眼を置くべきです。仕事が変わっていくという理由でイノベーションを止めることは良くない。そうしているうちに、他の国がやってしまうということもある。歴史的に見れば、昔は馬車を走らせるいい鞭をどう作るのかについて話をしていたが、内燃機関の登場によって状況は劇的に変化した。これは物事がどのように進化する必要があるかの一例で、その進化について人為的に蓋をすることはできないのだ。 ポール・アトキンス◎米証券取引委員会(SEC)の元委員(2002~2008年)で、元ドナルド・トランプ政権の顧問団に参加。ヴァンダービルト大学ロースクールで法学博士号。ニューヨーク州とフロリダ州の弁護士でもある。
Forbes JAPAN 編集部