実弟が西岩部屋から逃亡、そして「家族ぐるみの誹謗中傷」がはじまった…19歳力士が家族との「絶縁」を決意するまで
おかみさんも憔悴
相撲に限らず、スポーツの育成現場では根拠もなく「パワハラだ!」と訴える保護者が増えており、指導する側は難しい立場に置かれている。西岩親方はこう話す。 「すぐ〇〇ハラと言われてしまう時代なので、そこは気を遣って指導しています。育てるのは大変ですけど、好きでやっていることですから。思い通りにいかないものですが、時代に合わせてやっていくだけです。 何かあれば直接言っていただければ……。SNSでの誹謗中傷となると、真実ではないことも書かれてしまい、それは残念です。今回うちで(騒動が)ありましたが、どこの部屋でも、どこのスポーツ界でも、どの会社でも、どの学校でも起こり得ることです。社会全体で考えていかなければいけない問題だと思います」 取材に応じる親方の隣にはおかみさんがいたが、見るからに憔悴した様子だ。 「私もおかみもそうですが、当事者である幹希の里が何より心を痛めていますから。ただ、九州場所が2週間後に迫っているので、気持ちを切り替えて相撲に集中してもらいたいし、その環境をつくってあげたい。電話やメールで問い合わせもいただいておりますが、『頑張れ』という声のほうが多いです」(西岩親方) こう言うと、西岩親方は改めて「相撲に限ったことではないと思いますが、SNSを利用した誹謗中傷はなくなってほしい」と訴えた。 10代の力士が下した重い決断が、SNS上での誹謗中傷の抑制につながることを期待したい。 【こちらも読む】『「度が過ぎている」サイバー・藤田晋社長が怒り心頭…!町田ゼルビアが「悪質すぎる誹謗中傷」を刑事告訴』
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