【連載コラム】「聖地ヨセミテ」に魅せられて! vol.11 ヨセミテ渓谷でクリスマスを過ごす
クリスマスが終わり、あっという間に年明けです。この冬は、雪が遅くて、ホワイトクリスマスにはなりませんでしたが、キャビンの予約がいくつも入って慌ただしい冬休みでした。 【写真】ヨセミテ渓谷の壮大な大自然をじっくり見る(全9枚) そんななか、ヨセミテに行ってきました。冬のヨセミテはそもそも人が少ないのですが、クリスマスは、家族で集まって実家で団欒するお正月のような休暇なので、休みにも関わらず静かです。 ヨセミテ公園のなかでも見所の多いヨセミテ渓谷内にはホテルが2件ありますが、そのうちの一つ、アワニーホテルは1920年代に建てられた歴史のある名門ホテルです。
荘厳な名門ホテルでクリスマスを祝う
アワニーホテルは、ヨセミテの名物であるハーフドームがよく見えるロケーションにあって、景観によく馴染む石作りの外観が荘厳な建物です。中に入ると、広いロビーと、いくつものパブリックルームがあって、アメリカ先住民の民芸品や、ヨセミテの歴史がわかる展示物が置かれていて、フリーで見学できるようになっています。
ヨセミテ渓谷の名所を巡る
ホテルのレストランは、サンデーブランチが有名ですが、ブランチのない日でも朝食をビュッフェで楽しめます。大きな窓からヨセミテの景色を眺めながらの食事は、なかなか素敵な体験です。高価な宿なので気軽には泊まれませんが、早起きして、朝食ビュッフェをいただき、適当に散策したりスノーシューをするのが、冬のお決まりコースです。 今回は、これまであまり見ていない場所ということで、ブライダルベール滝とジャイアントセコイアを見に行きました。ヨセミテ渓谷にはいくつも滝がありますが、ブライダルベール滝は、渓谷に入って最初に目に飛び込んでくる大きな滝です。混雑しているのであまり立ち寄ることがなかったのですが、最近改修されて、車椅子やベビーカーでも滝壺近くまで行けるようスロープが整備されていました。
巨大なジャイアントセコイアに畏敬の念を覚える
ジャイアントセコイアは、現存する最も巨大な木で、なんと地球上で最大の生物です。このシエラネバダにしか存在しない絶滅危惧種でもあります。ヨセミテ公園の南の方にあるマリポサグローブのものが有名ですが、ヨセミテ渓谷に入る少し手前のツオルムグローブにも群生しています。 ここはいつもクルマで通り過ぎてしまう場所でしたので、今回初めて見に行きました。クルマを駐めてから、1~2kmだらだら谷を下りていきますと、ぽつんぽつんとジャイアントセコイアが現れて、その先は、何本か集まっているエリアを歩いて回れるようになっています。久しぶりにジャイアントセコイアを見ましたが、周囲の木と比べて、やはり存在感がすさまじく、そして美しく、ずっと見ていると、畏敬の念を覚えずにはいられません。 このように、ヨセミテは、オフシーズンでも、夏とはまた別の楽しみ方ができます。次回は、冬のヨセミテを楽しむ方法をいくつかご紹介できればと思います。
井上ゆず