【記者解説】能登半島地震後初の原子力防災訓練 災害の実態判明 防災計画見直しへ
テレビ金沢NEWS
志賀原子力発電所での重大事故を想定した石川県の原子力防災訓練が能登半島地震の発生後、初めて24日に行われました。
自衛隊や北陸電力など130機関から約600人が参加した24日の訓練。 「志賀町ではPAZ(半径5キロ)圏内の避難者の避難を開始します」 志賀町で震度7の地震が発生し、志賀原発2号機の外部電源が喪失。放射性物質が拡散したとの想定で行われました。
元日の地震では、原発事故の際に避難する防護施設20か所のうち6か所が損壊したことを受け、志賀小学校では内部被ばくを防ぐ原子力防災用のエアテントを設営しました。
志賀町・稲岡 健太郎 町長 「今回の地震、原子力災害には至りませんでしたが、そういった不安の住民の方が多いと思います。他の地域での災害を踏まえた実践的な中身を想定したものになっていくと思いますので、住民の中でもより防災意識が高まっていくと信じています」
原発から30キロ以上離れたかほく市では、放射性物質の汚染検査や簡易除染を受けるまでの流れも確認しました。 石川県は今回の訓練で出た課題を今後の避難計画の作成などに生かしたいとしています。
市川 栞 キャスター: 元日の地震後、初の開催となった原子力防災訓練について、ここからは平田記者とお伝えします。 平田 真彦 記者: よろしくお願いします。 市川: 毎年、行われている県の原子力防災訓練ですが、改めてその目的は?
平田: 原発に重大事故が起きた際に、半径30キロ圏内の住民らがどう避難するかをテーマに、毎年実践しているものです。
これまでもバスなどを使って陸路を中心に30キロ圏外へ避難するなどして住民の意識を高めてきました。 ただ元日の地震では、避難ルートとして設定されていた11路線のうち7路線が通行止めとなったことを受け、24日の訓練では、陸海空のさまざまな避難ルートを改めて見直す訓練となりました。
市川: 元日の地震では原発事故は起きなかったものの、のと里山海道も通行止めになりました。 どの避難ルートが使えるのか把握することが重要ですね。