BofAの為替収入、存在感増したヘッジファンド向けではない事業
(ブルームバーグ): 米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BofA)の為替トレーディングでは、有力マクロヘッジファンドではなく世界的な大手企業やリテールバンキング顧客からの収入が占める割合が一段と拡大している。
BofAのトランザクショナルFX事業は為替トレーディングの最大部門であり、2023年には同行全体の為替取引収入で約35%を占めたと、同事業を率いるブペン・ベラニ氏がインタビューで語った。今年は同事業で8-9%の増収を見込んでいるという。
為替レートの長期固定などを手掛けるトランザクショナルFX事業の拡大は、ボラティリティーの低さが一段と目立つ市場で銀行が頼れる為替収益源の重要性を浮き彫りにしている。
ベラニ氏はトランザクショナルFXの増収について、同行が提供するレート保証の商品がある程度寄与していると指摘する。顧客はこの商品を利用して、2分から365日の期間で為替レートを固定できる。これにより価格の確実性が生まれ、事業会社や金融機関では予測の必要性を低下させることが可能になる。
同氏によればBofAは今年、100億ドル(約1兆6000億円)を超える為替レート保証取引を見込んでおり、収入は前年比25%増の勢いだ。
顧客の中には米国から食肉を仕入れて国際的に販売する食品会社がある。この会社は同行を通じてメキシコ・ペソなどの為替レートを90日間固定し、請求書のヘッジに役立てたという。ベラニ氏は「顧客にとっては時価評価や会計上のノイズが減る」と語った。
原題:BofA Bets Big on Steady Revenues From Transactional FX Business(抜粋)
--取材協力:William Shaw.
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Carter Johnson, Katherine Doherty