大阪万博期間中の交通混雑緩和へ 時差出勤など呼びかけ、協力企業に催事スペース提供
大阪府市と日本国際博覧会協会は23日、2025年大阪・関西万博の期間中に予想される交通混雑に備え、時差出勤などを呼びかける「万博TDM(交通需要マネジメント)」の試行結果を公表した。さらなる協力を企業側に促すため、万博パビリオンでの催事スペースの提供などインセンティブを導入する。 TDMは来場者の円滑な輸送と、通勤や物流の両立が目的。企業・団体に大阪メトロ中央線や御堂筋線の利用を控えてもらうほか、時差出勤や休日取得を呼びかける。 府や協会は1万事業所の参加を目指すが、今月19日時点で約1600事業所にとどまっており、参加企業を増やすためにインセンティブの導入を決めた。 地元館「大阪ヘルスケアパビリオン」の催事スペースを提供し、TDMに登録した企業がイベントを開く機会を確保。万博開幕前に試験的に会場運営を行うテストランに招待するほか、時差出勤した場合には大阪メトロのポイントサービスを付与する予定だ。 一方、大阪府市と協会は23日の会議で、9~10月に実施したTDMの試行結果を公表。府咲洲庁舎(同市住之江区)などで働く府市と万博協会の職員らの7~8割が取り組み、午前8~10時台に万博会場に近い2駅での降車人数が平時と比べて約2割低減したという。ただイベント開催や大学への通学で利用率が上がった日もあった。 大阪府の吉村洋文知事は記者団に「さらなる取り組みの強化が必要。インセンティブを活用し、周知を徹底したい」と述べた。