「愛光学園」が女子寮開設へ 新校舎や授業の特色は?進学校の“伝統と変革”への挑戦
「自分自身の目標をもって」受験は団体競技、そして執念である
学園内では休み時間や放課後になると、教師に質問をしにいく生徒や、生徒同士が教えあう姿が多く見られます。志望先はさまざまですが、皆が受験に向かって共に切磋琢磨しています。 中村道郎校長: 「受験は団体競技です。一人一人がお互いを刺激して高め合います。親と子と教師の“チームワーク”が大切だといつも言っているんです」 愛光学園では、現役合格の数値目標を東大20人、国公立大医学部医学科30人、国公立大100人と定めています。 一方で2024年の合格実績は、東大7人、国公立大医学部医学科に31人、国公立大87人。最近の傾向としては国公立大医学部医学科を志望する生徒が増え、東大の志望者が減っているため、東大の数値目標を達成することが難しくなっているといいます。 もともと医学部を志望する生徒が多いことで知られていますが、医学部に行くなら愛光へというイメージが強まり、医師になるために愛光を目指す生徒も少なくありません。
学園では、卒業生である検事や駐ミャンマー大使、銀行員、建築士、アナウンサーなどを講師に招き、定期的に講演会を開催。生徒たちに広い視野を持ってもらおうと、様々な分野で活躍する人たちの話を聞く機会を増やしています。今後は保護者向けの講演会も開催する予定です。 中村校長: 「医師だけでなく、いろいろな職業があるのだということを知って、早い段階から自分自身の目標を見つけてほしいのです。また、近年は東大受験者が減っています。途中で諦めてしまう生徒も多いですね。チャレンジ精神は持ってほしいと思っています。行きたい!と思ったら諦めずに頑張ってほしい。我々は、本人が行きたいと志望する大学に行けるよう指導・サポートをする、最後まで諦めさせない。受験は“執念”でもあります」 (取材・文 / 津野紗也佳)