「愛光学園」が女子寮開設へ 新校舎や授業の特色は?進学校の“伝統と変革”への挑戦
「輪」でつなぎ 無限の夢を描ける新校舎に
2022年からは全校生徒が、新たに建設された新校舎へと移りました。教員棟を中心に、リング状の2つの教室棟が8の字を描く独創的な造りも、ホアン理事長がこだわった理想のカタチです。
校舎の中心には中庭があり、休み時間には多くの生徒が行き交います。自然と他学年との交流も増え、生徒たちの雰囲気を変わってきたとホアン理事長は話します。 「旧校舎では各学年がどんな動きをしているのかが分かりづらかったが、今は私の部屋からもそれぞれの様子が一目で分かります。穏やかな雰囲気で生き生きしている生徒が増えたと感じます。顔を合わせることで、前より挨拶をしてくれる生徒も増えましたね」
授業は“先取り学習” いま力を入れていることは
愛光学園では中2までに中学レベルの実力をつけ、中3からは高校レベルにとりかかる“先取り学習”が特徴です。 一方で高校から入学する生徒は、中学から入学した生徒たちとは別クラスで1年間授業を受けることになります。1年間で学力を追いつかせる必要があり、長期休暇などを利用して補習授業を受けるほか、予習復習につながる宿題も多くこなしていきます。そして高2からは文系と理系に分かれるため学年全体で混合クラスに変わり、共に受験へと向かっていくのです。 高校は2年までに英数国の完成を目指し、高3では大学受験の力をつけるため(文系は社会、理系は理科)の演習に力を注ぎます。
世界で活躍する人材育成を目指す愛光学園が、特に力を入れてきたのが英語です。中3からは伝統となっている小テスト(単語、熟語、文章)が毎回あり、文章に関しては学園オリジナルのテキスト「model sentence(通称・モデセン)」を繰り返し覚えるため、高校を卒業するころには500の文章を暗記している生徒も多くいます。これは英作文においても役立つといいます。 また現在注力しているのが、スピーキング力の向上と国際交流。7人の外国人講師が在籍し、少人数グループで会話中心の授業を行うほか、台湾の姉妹校との交流、ヨーロッパやカナダへの研修なども積極的に行っています。 このほか、中学ではタブレット、高校ではノートパソコンを一人一台持ち、全国に先駆けてICTを用いた教育も取り入れています。 中村道郎校長: 「資料のペーパーレス化にもつながり、ロイロノートで各自の意見を共有できる。もちろん教科書ノートはありますし、書くことはしっかりやらないといけない。ICTはうまく利用しないと、スウェーデンでは学力低下を招いているとしてICTをやめようという動きになっています。しかしそうではなく、今までのやり方とミックスしてどうやって学力をあげていくかが全国的な課題」 これに加えて、中村校長が課題に挙げるのが“ChatGPTをいかに学習に取り入れるか”。例えば、生徒が自分で作った英文とChatGPTが作ったものを比べて勉強するなど、うまく活用できれば画期的な学習法に繋がるのではないかと期待を寄せています。