侍ジャパン 26年WBCにこれだけの懸念材料…大谷、ダルビッシュの出場可否は不透明
侍Jの監督はメジャーリーガーとの関係構築が必須
「普通に考えるとあの球数で試合に出すことはあり得なくて。一切試合に出られず、調整がきかなくて調子が上がらない状況だったのは間違いない。ダルごめんなって謝りましたが、今の形だと米国に行ってる選手が参加しにくくなる。もしくはギリギリまで向こうで試合に出て一発勝負で集まる形しかなくなる」 初戦の中国戦に先発した大谷も、来日前に米国で実戦登板を積んでのぶっつけだった。ダルと大谷はかつて、栗山監督が在籍していた日本ハムでプレー。栗山監督と接点があったからこそ、無理を押して投げた部分もあっただろう。 「侍Jの監督はメジャーリーガーとの関係構築が必須。しかし、井端監督は特段、日本人メジャーリーガーと接点があるわけではない。今夏に渡米し、彼らとコミュニケーションを図っただけでなく、非公式で渡米し、大谷と面談したとの話もあるが、栗山監督に比べれば関係は希薄です」(前出のOB) 大谷は世界一達成時に、次回の大会参加に関して、「今のところはそう思っています」などと前向きな発言をしたものの、確実に出る保証はない。 大谷は現在、来季の投打二刀流復帰に向けたリハビリ中の身だ。靱帯再建術からの復帰1年目は、ただでさえ肘の状態は不安定になりがちで、ダルも15年のトミー・ジョン手術からの復帰後、原因不明の肘痛に襲われるなど、「1~2年間は普通ではない」と言っていた。 しかも大谷は右肘の靱帯が3度目の手術を要する状況に追い込まれれば、投手を断念すると言っている。25、26年シーズンは、1年でも長く二刀流を続けたい大谷にとって、重要な年になる。 「『10年1000億円』の超大型契約を結んでいるドジャースも、大谷のWBC出場には慎重にならざるを得ません。昨年のトミー・ジョン手術も開幕前のWBC出場が影響した可能性があるだけになおさらでしょう。大会参加時の故障などによる年俸保険の掛け金も、かなりの高額になる。まして大谷は20社前後のスポンサーを抱え、その収入だけで100億円に達するといわれる。WBCよりもレギュラーシーズンを優先するのは当然の流れです」(代理店関係者) 大谷は世界一達成時、弱小球団のエンゼルスに在籍していた。「ヒリヒリした9月を過ごしたい」とチームの優勝、ポストシーズン進出を渇望。WBCでは勝てないウップンを晴らすかのように躍動した。 しかし、今季は常勝のドジャースに移籍し、1年目にしてワールドシリーズを制覇。WBCに限らずとも、ドジャースでヒリヒリした試合を味わうことができる。「出たい」と言っていた頃と大きく環境が変わった。出場への意欲が変化していることもあり得る。 今大会は8連勝と無敗で決勝まで進んだ侍Jだが、2年後のWBCでこの快進撃を再現できるとは限らない。