寝たきりでガリガリの子猫…後ろ足が全く動かなかったが、リハビリしたら歩けるように…保護したボランティアに思いを聞いた
動物愛護センターで収容された負傷猫は「治療不可」「譲渡不可」で殺処分対象、あるいは衰弱死に
かごねこさんによると、鹿児島県のほとんどの収容施設ではもんじゃちゃんのような負傷した猫たちは、「治療不可」「譲渡不可」とされ、殺処分の対象となってしまうとのこと。殺処分しないにしても、自力でご飯も食べられない状態で放置されたままで、実際、衰弱死することがほとんど。「殺処分ゼロ」の裏側には、もんじゃちゃんのような子たちの自然死が隠されていると訴えます。 「おそらく鹿児島だけではないと思います。収容された子たちすべてに、治療や介護を尽くしてくださるところはあまりないと思います。それは収容される子たちが多く、そこまで手が回らないこと、費用も時間もかかるため、捻出することが難しいことなどが考えられます。とはいっても、外で暮らしている子たちは、人の目につかないところで、命を落としている子も多いはず…人の目に止まり、収容されたのにも関わらず、命を落とすことになることは悲しいことだと思うのです。 せっかく収容されたからには、手を尽くしてもらい、可能性を引き出せたなら…そう思って活動しています。中には治療の甲斐なく亡くなることもありますが、実際、治療を開始し、元気になる子、体が不自由であっても、他の子と変わらず生きている子たちが多くいます。私たちが治療し、元気いっぱいになって、ずっとのお家へ巣立っていく子をたくさん知ってもらうことで、多くの命が救われるきっかけとなれば…そう願っています。保護団体だけではなく、一般の方であっても、こういう可能性があるということを知ることで、手を差し伸べる勇気を持てることだってあると思うのです。ただ…1番いいことは、こんな思いをする子猫たちが減ること。生まれてきたからには、元気いっぱい幸せに暮らしてほしい…いつもそう思っています」 不幸な命が増えないように、TNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻すこと)活動に力を入れているというかごねこさん。年間3000匹以上の猫たちのTNRを実施しているとのこと。これからも「TNRをして、今以上増えないようにしながら、その中で負傷猫の治療や譲渡をしていけたならと思っています」と話してくれました。 また、かごねこさんはオリジナルグッズを作り、オンラインショップで販売しています。売り上げは活動費に充てているといいます。 「グッズを使い、オリジナルのイラストのことで周りの方やお友だちと話題にしてもらうことで、私たちの活動について知ってもらう機会となること、そして、困っている餌やりさんや多頭飼育崩壊のお家の人とつながる機会となることも狙っています。とにかく1人でも多くの方に知っていただき、多くの命が救われることになることを目標としています。小さな活動ですが、点と点がつながり線となり、輪になって、多くの命が救えることを願っています」 (まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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