「ヤンキー先生」義家弘介氏大敗 “県内唯一の裏金議員”の逆風強く 神奈川16区【衆院選2024】
「相手候補は、神奈川県唯一の裏金議員!」 投開票まで1週間となった20日、海老名駅近くの交差点で後藤氏はこう訴えた。“裏金”についての糾弾に加え、コロナ対策をめぐり約900億円の経費を削減した実績や、教育費の無償化の訴えなどを繰り返す。信号待ちのお年寄りから小学生まで、足を止めてビラを受け取る姿が見られ、交差点を曲がる車からも手を振る人がいた。後藤氏陣営が「この週末でぐんと反応が良くなった」と話すのも納得がいく市民の反応ぶりであった。 一方の義家氏は、休日は積極的に地元のイベントに参加。平日は駅前での演説に精を出した。後のない戦いとなった義家氏を支えようと、出陣式には河野太郎氏が応援に駆け付けた。また公明党も全面的にバックアップ。投開票日にJNNが行ったインターネット調査によると、比例で公明党に投票した人の95%が、選挙区では義家氏に投票していた。 ■小泉氏の応援に湧く義家氏の最終日 しかし実情は厳しく… 26日、選挙活動最終日。本厚木駅で、小泉進次郎氏が義家氏の応援演説に駆け付けた。さすがの人気ぶりで、駅前は大きな人だかり。中には海老名からわざわざ小泉氏の応援に来る人の姿もいた。しかし、その盛り上がりとは裏腹に、戦いの実情は厳しいものだったようだ。 演説後、遅めの昼食をとるべく商店街にある喫茶店に立ち寄った記者。そこで偶然居合わせたのが、義家氏陣営の選挙対策委員長だ。 話を聞いてみると、苦笑まじりに「番組冒頭での当確はやめといてね」と話す。義家氏陣営が嘆くのも無理はなく、各社とも「後藤氏がリード」と報じる状況。選挙戦終盤にJNNが行った調査でも、30ポイント以上の差がついていた。どの調査を見ても一つも勝っていないことに対する、陣営の落胆ぶりが会話の節々に垣間見えた。 その差は投開票日まで狭まることはなかった。JNNでは取材結果から逆転が難しいと評価し、午後8時に後藤氏に当確を打つ決定を下した。最終的な開票結果では得票率の差は約17ポイントと調査結果よりは小さかったものの、3万3000票差で義家氏の大敗となった。