「ヤンキー先生」義家弘介氏大敗 “県内唯一の裏金議員”の逆風強く 神奈川16区【衆院選2024】
自民党の派閥の“裏金”問題で、比例重複立候補が認められなかった「ヤンキー先生」こと義家弘介氏。まさに「背水の陣」となった神奈川16区での戦いは、立憲民主党の後藤祐一氏と事実上の一騎打ちとなった。 これまでの選挙戦でも激しい戦いを繰り広げてきた両者。しかし今回は約3万3000票差がつき、午後8時に後藤氏に当選確実が報じられる圧勝となった。大差の裏には何があったのか、12日間の選挙戦を取材した。 ■区割り変更に野党共闘不成立… 構図変わる神奈川16区 「私の後ろには歴史はあっても、この戦いの後ろには何もありません!」 10月15日、衆議院選挙公示日の午前10時。秋空の下、出陣式を行う義家氏は力強く訴えた。義家氏は369万円の不記載が問題となり、党の処分は免れるも比例での重複立候補なしという、まさに「後のない戦い」となった。 一方、県立厚木高校の出身だったことから市内での圧倒的支持率を誇る後藤氏。 自民支持者にも「地元の人に当選してほしいから選挙区では後藤さんに票を入れる。そのかわり、比例では自民に入れる」と話す人も多いという。そんな後藤氏の陣営だが、公示前は戦局に不安の色をのぞかせていた。勝利を収めた2021年の衆院選とは異なり、今回の選挙戦では共産党が候補者を擁立。野党共闘が崩れたのである。 そして、崩れた構図をさらに複雑にしたのが、10増10減による区割り変更である。これまで16区に含まれていた相模原市が、今回、対象地域から外れた。この相模原市は、前回選挙で後藤氏が優勢だったのだ。 他方、新たに16区に加わった海老名市は、2021年には立憲・太栄志氏が、激戦の末、自民党・甘利明氏に勝利を収めたエリア。公示の前、後藤氏陣営は「前回の票がそのまま両党に出てくるのか、全然違う答えになるのか、全く予想できない」と話していた。 ■勝負は海老名市 “裏金”追及強める後藤氏 組織戦繰り広げる義家氏 両候補が勝負をかけたのは、新たに加わった海老名市だった。