中国「国慶節」“大型連休”で日本への観光客は? 団体旅行解禁も“処理水”の影響で…
日テレNEWS
今月末から、中国では建国記念の日にあたる大型連休があります。日本への団体旅行も解禁となった一方、処理水放出による旅行キャンセルの動きも見られ、日本のツアー会社や飲食店からは期待と不安の声が上がっています。 ◇ 100年以上つぎ足した秘伝のタレにふわふわの身をくぐらせ、香ばしく焼き上げたうなぎ。明治創業のうなぎの老舗「川豊」が、8月に新たに店舗を出したのは成田空港です。 中国人観光客が訪れていました。 中国人観光客 「グッド! グッド!」 「中国のうなぎより日本の方が甘いです」 近年、うなぎは中国でも大人気で、国営放送のニュースでも取り上げられるほどです。この店は、海外からの旅行者などが客の半分を占めるということです。 川豊・成田空港店 伊藤小澄店主 「外国の方でもアジア系の方は、うなぎを身近に感じているのか。多くいらっしゃっている」 中国や韓国などからの旅行者が増えていて、さらなる盛り上がりに期待しているといいます。 その1つとして注目されているのが、中国の建国記念日にあたる「国慶節」にあわせた大型連休です。今年は今月末から8連休(9月29~10月6日)が迫っていて、多くの中国人が訪れることが期待されているのです。 以前は、購入した商品が道路に山積みにされるなど、いたるところで“爆買い”が見られ、観光庁によると、2019年には訪日中国人の消費額は1兆7000億円にものぼっていました。そこにめぐってきたのが、中国の「日本への団体旅行解禁」と「大型連休」です。 本来ならば中国人が来日する条件がそろうはずでしたが、その中で始まったのが福島第一原発の処理水放出です。中国から訪れている人は… 中国からの観光客 「こっちに来る前にたくさんの友達から『少し注意した方がいいんじゃないか』と言われたが、問題ないはずだと思っている」 中国・上海からの観光客 「全然問題ない。日本がきちんと対応しているから、私にとって何も問題ない」 気にしない人もいる一方で、中国メディアでは8月末、一部の航空会社で日本に向かう便のキャンセルが相次ぎ、処理水の放出前に比べ約3割減少していると報じていました。 この状況を心配しているのが、バスツアーを企画する「はとバス」です。外国人旅行者のツアー参加も徐々に増える中、9月末から企画しているのが、中国語で案内する山梨県のブドウ狩りなどの日帰りツアーです。国慶節にあわせて予約を開始しました。 はとバス 広報・棟近美南さん 「現在は14名のお客様に予約をいただいている」 最大550人が参加できるといいますが、予約を開始して約3週間で14人しか集まっていないといいます。 はとバス 広報・棟近美南さん 「せっかく動く時期なんですけど、(処理水を)気にして控える方もいらっしゃるのではないかと」 処理水放出の影響で対応を迫られる会社もあります。 中国人富裕層などに向け“日本を学ぶ”ツアーを開催している会社は、5日も10人の参加者をアテンドしていましたが、キャンセルが出たといいます。 mingle代表取締役 小林智樹さん 「今回も私たちのツアーで1名が、海産物を食べたくない、日本が危険なんじゃないかと、遠慮したいということで、キャンセルは出ました」 また、食事は海鮮を避けた店を選ぶ対応をしているといいます。 mingle代表取締役 小林智樹さん 「はやく状況が変わってくれたらうれしい」 処理水放出の影響はしばらく続きそうです。