『これでお前も俺の女だ』『公にすれば死ぬ』と脅しも 部下の検察官に性的暴行加えた罪 元検事正の初公判で起訴内容認める
■女性は被害後、PTSDに苦しんでいるが、他の性被害者のために被害の申告を決めたという
被害者の女性:私は法令を遵守し、傷ついた被害者に寄り添い、犯罪者を適正に処罰することを使命とする検察庁の大阪地検の、トップの検事正から突如、性被害をうけ、全てを壊されました。 女性として、妻として、母としての私の尊厳、そして検事として尊厳を踏みにじられ、身も心もボロボロにされ、それでもすぐに被害申告できなかったのは、被告人から『公にすれば死ぬ』、検察が機能しなくなる、検察職員に迷惑がかかると脅され、口止めをされ、たくさんの職員に迷惑をかけられない検察を守らなければないと思ったからです。 自分が泣き寝入りさせられたことで、それまで以上に被害者の方々に寄り添い、力になりたいと思い、自分の苦しみにふたをして被害者の方と戦ってきました。 女性は、性被害によるPTSDに苦しめられているが、自分自身とほかの性被害者のために被害を申告することを決めたという。 被害者の女性:悪いのは犯罪者の北川健太郎です。私は堂々としていたい。検事の仕事もしたい。被害者に寄り添って一緒に戦ってあげたい。 勇気を出して被害を打ち明けた女性。北川被告は今後、裁判でどのように向き合っていくのか。
■浜田敬子さん「逮捕時に詳しい状況が発表されなかったことで女性が誤解を受けた」と指摘
ジャーナリスト 浜田敬子さん:女性が6年間苦しんでいる間、北川被告は自分が犯したことを自覚しているわけですよね。なので脅したり、口止めしたりしている、そして、仕事をして退職金をもらって退職して弁護士活動しているという、それ自体が本当に許されないことだと思います。 一方で、逮捕時は事件の内容について詳しいことがほとんど発表されていないかったんですね。被害者を守る意味でもあったのですが、余計に被害者の女性が誤解を受けてしまったのではと思います。 例えば『酒に酔って官舎に行った』という報道に対し、『自分から行ったんじゃないか』とSNSに書かれているんですね。 (実際は)かなり抵抗できない状況で、無理やり連れ去られているし、上下関係を使って、脅されている。もっと早く、逮捕事実の時に言うべきではなかったのかなと。 そうすれば余計な誤解を生むことなく、被害者の方がこれ以上苦しまなくてよかったんじゃないかと思います。