中高生31名がクイズ王・伊沢拓司氏らにプレゼン「地球温暖化を身近に感じてもらうには」
株式会社batonが運営しクイズ王・伊沢拓司氏が率いるQuizKnockと、発電会社の株式会社JERAは、地球温暖化とエネルギー問題に関する中高生のプレゼンテーション審査会を11月3日に実施した。 【画像】ゼロエミッションスクールのロードマップ プレゼンテーション審査会は、「QuizKnockと学ぶワークショップ ~地球温暖化とエネルギー問題を通じて、知って、感じて、考える!~」の第3回(最終回)として開催されたもの。プレゼンテーションのテーマは、「地球温暖化をもっと身近に感じてもらうには?」。 同ワークショップは、エネルギーと未来について学ぶ「ゼロエミッションスクール」の一環として、全国から募集した中高生31名が参加した。同プロジェクトでは、株式会社JERAとクイズ王・伊沢拓司氏が率いる知識集団QuizKnockが協働し、エネルギーに関するさまざまな情報発信のほか、学生および学校関係者との対面型ワークショップを開催している。 ワークショップでは、地球温暖化やエネルギーについての基礎知識を学ぶほか、教育環境デザイン研究所(CoREF)の「知識構成型ジグソー法」を利用。参加した中高生は、自分の言葉で説明したり、ほかのチームの説明に耳を傾けたり、他人の意見を理解するために自分の考えを変えたりするといったことを繰り返しながら、地球温暖化とエネルギー問題についての学びを深めたという。 このワークショップの締めくくりとして、「地球温暖化をもっと身近に感じてもらうには?」をテーマに、より具体的なアイデアについて、大人に対して本気でプレゼンテーションしようというミッションを設定。中高生たちは8月から10月の3カ月間をかけ、オンラインでの議論などを重ねながらプレゼンを準備した。 今回の審査員は、一般社団法人 教育環境デザイン研究所(CoREF)の白水始氏、株式会社JERA 執行役員 企業価値創造担当 藤家美奈子氏、QuizKnock 伊沢拓司氏。 ・優秀賞 「優秀賞」は、Gチーム(めぎとば)が受賞した。「小学生向け絵本を中心として子供の間で関心を継承させていく」ことを提案するものだ。 ターゲットを小中学生に定め、小学生向けの絵本を中心コンテンツとして作成するという取り組み。中学生には小学生に対する読み聞かせを授業の一環として展開し、図書館などにも配架して、関心を継承させるというアプローチとなる。 審査員を代表して伊沢氏は「一つ一つの策にちゃんと意義の裏付けがあり、具体物の制作にも試行錯誤を感じた。プレゼンも、最後にこちら側が考える余地を持つ良い提案だった」とコメントした。 ・JERA賞 株式会社JERAの名前を冠した「JERA賞」は、Aチーム((Na)^3)が受賞した。 地球温暖化防止策について、退屈な勉強から「エピソード記憶」に変えるため「体験型演劇」を活用するもの。子供たちが演劇をする仕組みをつくり、保護者からも注目を集めていくというアプローチだ。 藤家美奈子氏は「この手段は企業ではできない発想」だとコメントした。 ・伊沢賞 「伊沢賞」は、Eチーム(良い)が受賞した。 地球温暖化防止策として誰もが行える小さなアクションを「取り組みやすさ」と「CO2削減への貢献度」でマッピングし、複数のアイデアを提示して、何から手を付けられるかを示すアプローチとなる。 伊沢氏は「とんがっているチームを選んだ。これを元のアイデアとして、磨く人がきちんと磨けばもっと光る」とコメントしている。 ・その他のプレゼン Fチーム(Found)は、日常のエコのみならず「エネルギー」や「環境への影響」に関する知識と理解を「検定」として展開し、知ることへの意欲を高めてもらうアプローチとした。 Dチーム(ドストエフスキー)は、簡単にアクションできるものとして「節電」に着目。みんなで一斉に節電したくなる「日」を定め、電車広告などを活用して促していくアプローチを展開した。 Hチーム(Hey,ちきゅう!)は、新たに「ロゴ」を作成し、温暖化防止に取り組む企業や人の証しとして活用して、企業が自由に使えるようにするなど参加者を増やしていくアプローチを提案した。 Iチーム(鯱もなか)は、より身近なところにある地球温暖化とその対策に着目させるための「LINEスタンプ」を作成し、日常での利用のほか、企業などとのコラボも促す内容を発表した。 Bチーム(使う側より作る側が強い)は、地球温暖化の当事者にならざるを得ない小学生に意識を持ってもらうため、全国規模での古着交換会を実施し、身近さや楽しさをきっかけにする手法を提案した。 Cチーム(ショートケーキ)は、親子で参加できるエコバック制作ワークショップを中心に展開するもの。直接的なビニール削減効果のほか、企業を巻き込みながら素材として古着の提供を受けるなど、周辺の関心を広める方法を説明した。 ゼロエミッションスクールでは、教育現場向けプログラムや教材の開発・制作も視野に入れて今後も多角的に展開するとしている。
こどもとIT,高橋正和