数え歌『どちらにしようかな……』の続きは? 関西「柿の種」 関東「なのなのな」 地域差明らかに
子どものころ、なにかを選ぶときに「どちらにしようかな、天の神様の言う通り……」という数え歌で決めていた人は多いのではないでしょうか。実は、「言う通り」に続く言葉は地域ごとにさまざまなパターンがあるのだそう。 【関連】山形県では電話の挨拶がいきなり過去形!? 「もしもし+名乗り+でした」 ナゼ? 背景に方言の歴史 シンガーソングライターの近藤夏子さんとラジオDJのタケモトコウジさんが担当するラジオ番組で、多種多様な歌詞を募集しました。 なかでも多かったのが、「おならの音」「柿の種」「鉄砲」「アブラムシ」が入った歌詞。いずれも、兵庫県をはじめとした関西地域のリスナーから送られてきたもので、地域性があることが判明。ただ、どの歌詞も似てはいるものの、同じ地域内でも少しずつ違いがあることもわかりました。 ・「ぷりっぷりっぷりっ 柿の種 アブラムシ」(兵庫県神戸市) ・「ぷりっぷりっぷりっ 柿の種 アブラムシ お味噌汁 もひとつオマケにぷりっぷりっぷり」(30代/兵庫県神戸市) ・「柿の種 ぷりりのぶりりのり」(40代/兵庫県神戸市) ・「柿の種みかんの種 スイカの種 もひとつおまけにアブのアブ」(50代/兵庫県姫路市) ・「ぷっとこいて ぷっとこいて ぷっぷっぷっ 柿の種」(50代/兵庫県伊丹市) ・「ぷっとこいて ぷっとこいて ぷっぷっぷ 柿の種 もひとつオマケに柿の種」(30代/京都府城陽市) ・「プッときて プッときて プップップップー もひとつおまけにプップップップー」(奈良市50代) ・「ぶってこいて ぶってこいて ぶっぶっぶっ」(50代/兵庫県神戸市) ・「プッとして パッとして パンパンパン」(兵庫県相生市) ・「プリプリプリ 柿の種 鉄砲打ってバンバンバン」(兵庫県明石市) ・「鉄砲撃ってバンバンバン 柿の種」(兵庫県丹波市) ・「鉄砲撃って バンバンバン」(30代/兵庫県西宮市) 同じ家庭内でも、異なる歌詞で歌っているというリスナーもいました。 「私も両親も大阪出身ですが、私は『ぷっとこいて、ぷっとこいて、ぷっぷっぷ、柿の種、ご飯粒』。お母さんは『ぷっとこいて、ぷっとこいて、ぷっぷっぷ』。お父さんは『ぷっとこいて、ぷっとこいて、ぷっぷっぷ、アブラ虫』です。家族でも言い方が違うから、年代によって違うのかなと。同じ家族でも違うのはなんだかおもしろいなと思いました」 関西地方、特に大阪では数字を数えるパターンもみられました。 ・「柿の種 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10」(大阪府) ・「どんどこまーかーせ いち、にー、さん!」(40代/大阪府大阪市) ・「スットコトンのスットントン 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10」(40代/兵庫県佐用町) ・「グッドバイ グッドバイかきのたね 123あのねのこのね」(40代/兵庫県南あわじ市) 数字を数えるパターンのなかには、決まった数字ではなく自身の年齢を数えるという人もいました。子どものころは「大人になったら歳数えるの大変や~ん!」と言っていたそうですが、大人になると数え歌そのものを使わなくなったそうです。 ・「柿の種 あっぷっぷ 1.2.3…(自分の歳を数える)」(大阪府北摂) 関西圏でも、「柿の種」「数字」「鉄砲」などがまったく入っていないパターンもあるようです。 ・「太鼓を叩いてドンドコショ もひとつオマケにドンドコショ」(40代/兵庫県尼崎市) 広島のリスナーからもメッセージが。関西と同様に「柿の種」「鉄砲」が入っていますが、ほかに「ねんね」「ねのね」などのワードも入っており、地域によって細かな違いがあることがわかります。 ・「おけけのけけの 柿の種ね ねのねもとトマトのたーね」(広島県) ・「カッカのカッカの柿の種 ねんねのねんねのネズミとり 鉄板打ってバンバンバン」(広島県) パーソナリティーの近藤さんは、島根県大田市の出身。地元では「ゲゲゲの鬼太郎」というワードが入っており、「それが当たり前だと思っていた」とのこと。リスナーからのメッセージを見てみても、山陰地方では、ゆかりのある水木しげる氏の漫画『ゲゲゲの鬼太郎』が入っているパターンが多いようです。 ・「ゲゲゲの鬼太郎 へをこいた もひとつおまけにへをこいた」 ・「ゲゲゲの鬼太郎 田んぼに落ちた」(40代/島根県松江市) ・「どってん ばったん決めた」(島根県松江市) 山陰地方ではありませんが、福岡でも『ゲゲゲの鬼太郎』を彷彿とさせる「げげげ」「けっけっけ」というワードが入っていることがあるそう。 ・「げげげのげのげのおまけつき」(40代/福岡県福岡市) ・「けっけっけの柿の種 花が咲く」(福岡県) 関東では、西日本エリアからは聞くことのなかったワード「なのなのな」が入っていました。 ・「なのなのな」(神奈川県横浜市) ・「なのなのな 鉄砲撃って バンバンバン」(50代/神奈川) ・「なのなのな 鉄砲撃って バンバンバンバン」(東京都) そのほかに、関西や関東とは関連性のない言葉が並ぶパターンも送られてきました。 ・「あべべのべ鉄砲うってバンバンパン 当たらなかったよバンバンバン バンバンバン バンバンバン 誰かが死んだよバンバンバン」(埼玉県新座市) ・「おべべの べの べの 猫のしっぽが曲がるとき」(群馬県) ・「スッポロポンのスッポロポン にんじん食って真っ赤っか だいこん食って真っ白け」(新潟県新潟市) ・「トンチンカンチン カブトムシ」気に入らないときは「決めた!」と続ける(60代/徳島県) ・「あべべのべべそ 月火水木金土日」(60代/愛媛県) 地域によって違いがある数え歌。ただ、地域内や家族内でも違いがあるようで、今後も時代や地域などに沿ったさまざまな歌詞が生まれていくのかもしれません。 皆さんの地域の「どちらにしようかな」は、どんなフレーズですか? ※ラジオ関西『Clip月曜日』より
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