メッシとネイマール バルサの天才2人は共存できる?
2人の天才はピッチの上で共存することができるのか。新シーズンが開幕したばかりのヨーロッパのサッカーシーンにおいて、リーガ・エスパニョーラの名門、FCバルセロナの「10」番と「11」番が最大の注目を集めていることは言うまでもない。 リオネル・メッシとネイマール。南米の二大サッカー大国、アルゼンチンとブラジルの代表チームでともに「10」番を背負うスーパースター。異次元のレベルにある2人の個人技と決定力が融合すれば、どのような化学反応が起こるのか。 2013年8月28日。バルセロナのホーム、カンプ・ノウで行われたアトレティコ・マドリーとのスペイン・スーパーカップ第2戦。今シーズンにおけるバルセロナの公式戦4試合目にして、メッシとネイマールは初めて先発メンバーに名前を連ね、ともに90分フル出場を果たした。 3トップの中央にメッシ、左にネイマールが配置されたが、結果は0対0のスコアレスドロー。ファン待望の「ホットライン」で相手を崩すシーンはなく、ともに単独で仕掛けては相手の厚い守備の前に跳ね返されるプレーが目立った。 まだ、融合ではなく、反発に見えた。 1990年代に監督としてバルセロナを率い、今現在に至るポゼッションサッカーの基盤を作り上げたご意見番のヨハン・クライフ氏は、「バルセロナに船頭は2人もいらない」と共存不可能説を唱えてきた急先鋒だ。国内紙『マルカ』に、クライフ氏のこんな発言が掲載されたこともある。 「私が監督ならネイマールを獲得はしないだろう。私は常にチームの骨格のバランスを重視する人間だ。ネイマールがバルセロナに来たら、メッシとの共存の問題が出てくる。プレー面でコンビネーションが合うかどうかという問題ではなく、チーム内の権力バランスの問題だ」 ネイマールの球離れの遅さがバルセロナのスタイルに合わないのでは、という声も実際にはあった。しかし、日本オリンピック委員会(JOC)の海外指導者派遣制度に採用され、今年1月からバルセロナに留学している元日本代表MFの廣山望氏は、ネイマールがまだ新天地での役割に慣れていないと分析する。 「サイドに張って、ずっと待っている今のポジショニングが少し窮屈そうに見えます。相手もネイマールに関しては非常に警戒しているので、彼がボールを受けてもすぐに、はたかざるを得ない。ただ、それをベースに自分のよさを出させるようになってくれば、この先、ノビノビとしたプレーを見せてくれるでしょう。仕掛ける動き、持っているスピード、相手のファウルを誘うドリブル、得点能力はバルセロナの他の選手にはない大きなアドバンテージですからね」