米ボルティモア港連絡橋崩落 「DALI」船管シナジーマリン、事故対策 緊急チーム編成。「原因は調査中」
米ボルティモアで26日未明、港湾に架かる橋に衝突したコンテナ船「DALI」の船舶管理を担当していたシナジーマリングループ(本社・シンガポール)は事故発生直後、事故対策の緊急チームを編成した。同時に顧客に対し、「インド人船員22人が乗船していた」「事故原因は明らかになっていない」との声明を発表した。 同社の米国担当者は27日、日本海事新聞の取材に対し、「(ブラックアウト〈停電〉が原因との情報があるが)現時点で分かっていることはない。米国の海事当局が現在調査中で、全面的に協力している」と答えた。 船舶管理契約については「船舶保有者であるグレース・オーシャン(シンガポール)と直接契約している」とし、船舶管理は船主との契約であることを明らかにした。 シナジーマリングループの緊急チームが顧客に送信した事故の内容は次の通り。 ■事故の概要 ボルティモア港で水先案内人2人で航行中、「DALI」はフランシス・スコット・キー橋の支柱の1本と接触した。この事故に至った経緯はまだ明らかになっていない。 ■直ちに取るべき措置 1.関係者への通知は、USCG(米国沿岸警備隊)、船級、旗国、代理店に通知済み。 2.状況の評価については、予備報告によると、船上で停電が発生したが、船員により解決された。本船とその周辺への損害の程度を評価する努力は継続中である。 3.緊急時対応計画を直ちに発動し、ボルティモアで現地チームを立ち上げ、事態に対処している。 ■現在の状況 1.この事故による汚染は報告されていない。 2.乗員やパイロットに重傷者は出ていない。橋上の交通および橋の崩落に関する死傷者は現在不明。現在、地元の捜索救助隊が活動中である。 3.船舶の損傷の全容と橋梁構造への潜在的な影響については、まだ確定していない。 ◇ 私たちは、この事故の重大性を十分に理解し、最高レベルの緊急性と注意をもって対処することを約束する。このような事故が発生した場合、ソーシャルメディア上ではさまざまな活動が行われる。私たちは完全な透明性をもって、不測の事態とフォローアップに関する最新情報をお伝えする。私たちは地元当局と連携し、被害管理および調査に取り組んでいる。
日本海事新聞社