愛子さまの「お相手候補」から人気俳優まで、識者が選ぶ「日本を動かす新名家」とは?
● リスク分散で今も健在の三井家 製造業トップとして君臨する豊田家 旧財閥家では、多くの分家によってリスク分散をしてきた三井家が健在だ。NHK大河ドラマ『光る君へ』でも話題の藤原道長の子・長家(冷泉家などの祖・母は源明子)の子孫が近江の土豪となり、織田信長上洛の時、三井越後守高安(三越の語源)が伊勢松阪に逃れ、17世紀後半の高利の時、京都や江戸での基盤を固めた。 三井十一家で一門を成し、家憲で統率され、養子縁組や婚姻も多い。総領家は北家で、財閥解体の後、若葉幼稚園などを運営する学校法人北泉学園を家業としている。 現在は12代目八郎右衛門永乗で建築家。母の富美子は、上皇陛下のお妃候補だったが、宮内庁から打診されるも、すぐに断って、三井之乗と結婚した。松濤幼稚園(廃園)を経営していた林伯爵家の出で、大久保利通のやしゃご。若葉幼稚園の現園長は長女の大林和子(大林組創業家に嫁ぐ)である。 NHK連続テレビ小説『朝が来る』の主人公・広岡浅子は小石川三井家の出身で、その養女が北家の夫人となったこともある。 製造業の創業家では、豊田家が今も経営トップとして君臨している。佐吉は、静岡県湖西市の出身で、豊田自動織機を起業。トヨタ自動車は2代目の喜一郎が実質的創業者。3代目章一郎を経て、現在の会長である章男は4代目だ。 喜一郎夫人は高島屋の飯田家、章一郎夫人は三井伊皿子家、章男の夫人は三井物産副社長だった田淵守の娘。5代目の大輔は元宝塚女優の星蘭ひとみと結婚したが、出光興産創業家の縁者のようだ。
● 林芳正官房長官にもつながる UBE創業家である俵田家 かつては各都道府県の経済界に君臨する名家が、必ずあった。今も島根の大山林地主の田部家や、岡山の大原美術館で知られる大原家などがあるが、維持するのは大変なようだ。 山口県宇部市のUBE(旧宇部興産)の創業家である俵田家は、創業者の孫の武が木戸孝允(桂小五郎)を祖とする木戸侯爵家の婿養子(内大臣木戸幸一の孫娘と結婚)になった。孫娘の万里子は蔵相だった林義郎と結婚し、その子が林芳正官房長官だ。 林家は山口県下関市でバスやガスを経営。芳正は4世議員だ。下関は山口4区だったので、長門市出身の安倍晋三に追い出されて、芳正は参議院議員だった。だが、宇部市を含む山口3区で衆議院議員に転向。現職の河村健一元官房長官を追い出しての異例の公認だったが、当時は、宇部興産の後押しあればこそとも言われた。 だが、定数改定で山口県が4選挙区から3選挙区に再編され、安倍後継の現職を押しのけて下関に戻ってきた。 また、林義郎の妹は、前大分県知事・広瀬勝貞の妻である。広瀬の父は郵政相・広瀬正雄で、江戸時代の教育者・広瀬淡窓の系統を引く。なお、広瀬勝貞の次男で、神戸製鋼所に勤務していた建が、次期総選挙で立候補予定だ。