【バレー】現行V.LEAGUEの最終戦V Cup決勝はフルセットの末、デンソーが勝利。7戦全勝で優勝を決める V1女子
バレーボールV1女子は7日、駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場(東京都世田谷区)にてV Cupファイナル(決勝)と3位決定戦の2試合を行った。 決勝に先立ち行われた3位決定戦ではJTマーヴェラスと岡山シーガルズが対戦。予選ラウンドでは岡山が3-1で勝利していたが、この3位決定戦ではJTが3-1で勝利し、3位で大会を終えた。5月末付で退部が発表されている吉原知子監督は「昨日の試合に負けてから、『今日は一人ひとりの良さを出していこう。勝ち負けもあるけれど、自分たちのことをしっかりやっていこう』と声をかけた。今日の試合は選手たちのボールに対しての執着心、勝ちたい雰囲気が伝わってきたので、見ていて楽しかったです」と笑顔を見せた。 JTの監督としては黒鷲旗が最後の大会となるが、6日の記者会見でも「勝ちにこだわるチームであってほしい。そこまでの期間でもう少しできることがあると思うので、伝えていきたい」と話していた吉原監督。大学を卒業したばかりの宮部愛芽世も「吉原監督からご指導いただき、学生時代よりも技術力がアップしていると感じる」と手応えを話していた。昨年B代表の監督となり、急造チーム且つ短い合宿期間で銀メダルを獲得したアジア競技大会のように、今大会も林琴奈ら日本代表組が不在の中、若手中心のメンバーで短期間でチームを作った吉原監督。黒鷲旗はどんなチームに仕上げてくるのか最後まで注目していきたい。 一方、4位で大会を終えた岡山・河本監督は「(この大会で)若手、中堅に経験を積ませたかった」との言葉通り、京都橘大から入団したばかりの小松原凜香、3位決定戦が初スタメンだったという甲斐理香菜、ルーキーイヤーの1年間で「ここまで成長するとは思わなかった」と同監督が称賛する城戸陽菜ら新戦力が力をつけ、手応えを感じている様子だった。途中出場で起用された中堅の前田明里については、「ブロックに期待している。伸びてほしいという期待を込めてコートに送り出した」と話した。実は前田の弟は早稲田大のセッター・前田凌吾。妹の和里もセッターで、明里と同じ大阪国際滝井高を卒業し、今年日本大に入学した。日大バレー部は、岡山で長くセッターとして活躍した岡野弘子氏がコーチを務めている。「弟と妹の活躍も彼女の刺激になっているかもしれない。3きょうだいで頑張ってほしい」と河本監督は期待を込めて話した。 そして、現行Vリーグの男女全カテゴリー含めて最後の試合となった決勝戦は、デンソーエアリービーズと日立Astemoリヴァーレが対戦。最終戦にふさわしい、どちらも譲らない展開となり、フルセットにもつれ込む。第4セットまで両チームが交互にセットを奪い合い、どのセットも両チームともに20点を超える白熱した戦いとなった。最終セットも12-12まで競り合いとなったが、終盤で中元南主将がブロックを止めてマッチポイント。最後はロザマリアが決めて、デンソーが激闘を制し、V Cup予選ラウンドから7戦全勝で優勝を果たした。 若手中心のチームを引っ張った中元主将は、「入団したばかりの頃は苦しいケガが続き、9年目でやっと優勝できた。いいシーズンになった」と笑顔を見せた。高校時代はミドルブロッカーでデンソー入団後にアウトサイドヒッターにコンバートした野田祐希の成長もあった。この1年、同じポジションの中元主将がアドバイスをする機会も多かったが、決勝戦では23得点の活躍。「このV Cupでは初めてと感じさせないプレーを毎試合出してくれた。私も誇らしく嬉しい」と中元主将も目を細めた。 一方、惜敗した日立Astemoの長内美和子主将は、「このファイナルを楽しもうと試合に臨んだ。サーブが機能しているときは優勢だったが、オフェンスが通らず、ミスや被ブロックが増えた場面は課題。リバウンドをとるなどでもっと立て直すことができていたら」としつつも、「今大会から導入した選手たちによる相手の戦力分析により理解も深まり、選手同士のコミュニケーションが増え、チームの持ち味であるディフェンス力がより磨かれた」と収穫も話した。
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