「2025年問題」がトリガーを引く日本の危機、社会保障も介護も破綻寸前だが石破政権は関心薄
日本は2025年、ついに超高齢化社会に入ります。人口の5人に1人が75歳以上の後期高齢者、3人に1人が65歳以上の高齢者になるのです。介護の人手不足が深刻になる、中小企業の事業継続が困難になる、外国人を招き入れなければ産業が成り立たない……。何年も前から懸念されていた少子高齢化の歪み。「2025年問題」と総称される社会はどんな姿になるのでしょうか。やさしく解説します。 【グラフ】急速に進む高齢化と人口減 (フロントラインプレス) ■ すべての「団塊の世代」が後期高齢者に 日本の総人口は2010年を境に減少を続けています。総務省統計局によると、2023年10月1日時点の総人口は1億2435万2千人で、前年同月比で59万5千人の減少となりました。0.48%のマイナスで、減少は13年連続です。こうしたなか、約800万人いる「団塊の世代」(1947~1949年生まれ)が2025年にはすべて75歳以上の「後期高齢者」となるのです。 内閣府の高齢社会白書(2024年版)によると、2025年には75歳以上が2180万人に達し、国民の5人に1人が後期高齢者になります。また、65~74歳の前期高齢者も1497万人に到達。年々上昇していた高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)はついに30%台に乗ると試算されています。 国民の3人に1人が高齢者になるわけで、社会の「老い」はいよいよ顕著になりそうです。 一方で少子化は止まりません。総務省の資料によると、総人口に占める15歳未満の子どもは2023年4月1日時点で11.5%。実に49年連続で減少しました。そうした結果、日本社会の歪みは一段と鮮明になってくるものと思われます。わかりやすい物差しは、高齢者1人を何人の現役世代(15~64歳)が支えているかという数値です。
■ 高齢者を何人の現役が支えるか 戦後間もない1950年は高齢者1人に対し、現役世代は12.1人でした。12人で1人の高齢者を支える社会構造だったわけです。その後、1970年には9.8人、1990年には5.8人と低減。高齢世代を支える働き盛りの世代は年々少なくなっていきました。 そして2025年にはついに2.0人を割り込み、1.9人になると予測されています。現役世代の数値には学生や主婦、無職者なども含まれていますから、実際には高齢者を支える現役世代はさらに少ないはずです。 若者世代に不安はないのでしょうか。 日本財団が全国の17~19歳1000人を対象として2023年1月に実施した「第52回価値観・ライフデザイン」調査によると、少子高齢化に関して「非常に危機感がある」は37.3%、「危機感がある」は36.8%となりました。 7割を超す若者が危機を感じているわけです。他方、こうした問題に対する政府の対応については「不十分」「どちらかと言えば不十分」が82.0%にも達しました。次の世代を担う若者の多くが、2025年問題に象徴される日本の将来に強い不安を感じているのです。 2025年問題は、具体的には社会のどの分野にどんな影響を及ぼすのでしょうか。具体的な見通しをチェックしていきましょう。