広島が秋季Cスタート 球団アドバイザーの黒田博樹氏が鬼の投げ込み指令「リスクは背負って…」
広島は4日、宮崎県日南市で秋季キャンプをスタートさせた。今キャンプに同行する黒田博樹球団アドバイザー(49)は参加する19投手に対して、「リターンを求めるなら、ある程度のリスクは背負っていかないといけない」と投げ込みの重要性を説いた。自身も昼食の時間を除いた約5時間にわたってブルペンに張り付き、初日から精力的に助言を送った。 秋季キャンプ初日からブルペンは活気に満ちていた。参加19投手のうち、18投手が早速ブルペン入り。野手に負けじと投手陣も気合十分だ。同行する黒田球団アドバイザーは投げ込みの重要性を説き、若手のレベルアップに期待を寄せた。 「みんな来季に向けて目の色が変わっている。やっぱり、リターンを求めるなら、ある程度のリスクは背負っていかないといけない。そういう選手がこっちに来ている。肩は消耗品というのは分かった上で、どこかで勝負をかけないといけない。それがこの秋のキャンプだと思う」 今季のチーム防御率2・62はリーグ3位。投手力アップに向け、若手の底上げが求められる中、日米通算203勝を誇る球団のレジェンドがひと役買う。この日は、午前11時からブルペンに出向き、菊地原、永川両投手コーチとともに投球練習を見守った。まずは、ドミニカカープアカデミーの練習生たちに積極的に声かけを行うと、今季最終戦で初セーブを記録した8年目の高橋には、変化球についてアドバイス。昼食を挟むと、午後からの課題練習もブルペンに足を運んで午後4時半まで張り付いて、精力的に助言を送った。 黒田氏も現役時代はキャンプでの投げ込みを大切にしてきた。「プロの世界は技術が高い人が勝っていく世界」。この競争社会を勝ち抜くために、リスクを背負って勝負することも重要なことだと言う。その言葉に呼応するように、投手陣もエンジン全開だった。 2年目の益田はブルペンで109球投げた後、課題練習でも“おかわり”で捕手を立たせて100球以上投げた。「周りが引くぐらい投げたい。投げていい形を体に覚えさせたい」。今季は10試合に登板して0勝0敗3ホールド、防御率6・48。来季へ危機感をのぞかせながらも、今キャンプは投げ込みに徹し、レベルアップを期した。 「一年一年で立場が変わってくるので、何が起きるか分からないし、何か起こさないといけないメンバーがこっちに来ている。そういう意味では僕自身も楽しみ」と黒田氏。「投げ込みの秋」に底上げを図っていく。 (長谷川 凡記)