OpenAI、イーロン・マスクが起こした訴訟の「却下」を裁判所に要求
OpenAIは10月8日、イーロン・マスクが同社に対して起こした連邦訴訟の却下を要求した。ビリオネアのマスクは、自身の人工知能(AI)スタートアップのxAI(エックスエーアイ)を宣伝するための嫌がらせ行為として、彼らを訴えたとOpenAIは主張している。 マスクは8月に、OpenAIを相手取る訴訟を起こし、同社が創設時に掲げていた「人類の利益に貢献するAIプラットフォームを開発する」というミッションを放棄し、利益の最大化を優先したと非難していた。 OpenAIは8日にカリフォルニア州の連邦裁判所に提出した却下請求で、マスクの訴訟が「自身の競争上の優位性を求めて同社を攻撃する、ますます攻撃的になっている一連の訴訟の最新のものだ」と非難した。 OpenAIは、マスクがかつて「安全で人類に利益をもたらす汎用人工知能を開発する」という同社の目標を支持していたが、「プロジェクトを支配するための試みが失敗した後にその目標を放棄した」と主張している。同社はまた、マスクがその後自身のAIスタートアップのxAIを立ち上げたことに言及し、マスクが「競争上の優位性を得るために司法制度を利用しようとしている」と主張している。 ChatGPTの開発元であるOpenAIは、マスクが8月に起こした連邦訴訟で主張している内容が、彼が6月に取り下げた最初の州裁判所での訴訟と同じものだと主張している。 マスクは、OpenAIからの却下請求に対してまだコメントを出していない。 マスクは今年2月にOpenAIとそのCEOのサム・アルトマンを訴え、同社が「オープンソースの汎用人工知能を開発して、人類に利益をもたらす」という本来の目標を放棄し、利益の最大化を優先したと非難した。サンフランシスコ高等裁判所に提起されたこの訴訟で、マスクは、グーグルのDeepMindをライバルに見据える、自由でオープンな組織を構築するという元々の合意をOpenAIが破ったと主張していた。 その数日後にOpenAIは、ブログの投稿でマスクの主張に反論し、OpenAIの共同創業者の一人であるマスクが2017年に「OpenAIの目標を達成するためには、営利団体が必要であることを認識していた」と指摘した。同社はさらに、マスクが営利団体のCEOおよび支配株主になろうとすら試みたと主張した。 しかし、OpenAIは、マスクの要求が同社の使命に反すると考えたため、それに同意できなかったとし、「いかなる個人にも絶対的な支配権を持たせることはできない」と述べている。このブログの投稿は、マスクがかつては、OpenAIをより高い目標に向かわせたが、その後は「失敗する」と言い出し、自身で競合企業を立ち上げた後に、彼ら(OpenAI)を相手取る訴訟を起こしたと主張していた。 マスクは6月に2月に起こした訴訟を取り下げたが、8月に主張の根拠を補強して連邦裁判所に再提訴していた。
Siladitya Ray