なぜ「N-BOX」は日本で一番売れるのか? 新型「N-BOXカスタム」をロングドライブして分かったこと。
ホンダ「N-BOX」は、Z世代から中高年まで幅広いユーザーがファーストカーとして選んでいる人気モデルだ。新型N-BOXは2023年には3代目に進化し、マルチな場面で使えるイメージを獲得しているが、その性能を確かめるべく、モータージャーナリストの原アキラがロングドライブに挑戦した! 【写真】N-BOXカスタムの詳細画像はこちら!(全28枚)
N-BOXの室内はやっぱり広い!
今、日本で一番売れているクルマがホンダの軽自動車「N-BOX」だ。快適性や走行性能が普通車に負けない程のレベルを保っているのが理由で、Z世代から筆者のような中高年のオーナーまでの幅広いユーザーがファーストカーとして選んでいるという。 2011年にデビューした初代N-BOXは、2017年には2代目、2023年には3代目へと進化。近所のお買い物や近場への通勤などだけに使われていた軽自動車を、ロングドライブも難なくこなせるマルチパーパスなクルマへとイメージを変えることに成功した。そんな新型N-BOXの性能を確かめるため、ロングドライブに挑戦するというのが今回の企画というわけだ。 軽自動車で長距離のテストドライブ、と聞いて思い出したのは、今から数十年前の筆者の幼少時代に、実家のある岡山で父親が所有していた初代の三菱ミニカ。当時360cc空冷2気筒18PSの小さなクルマに家族4人が乗り、なんと九州までのロングドライブを敢行したのだった。途中の山道の登りでオーバーヒートしたトラブルがあったことを覚えているのだが、なんとか別府や阿蘇山、長崎などを数日かけて巡り、無事岡山に辿り着いたのだった。 そのころと比べると、最新のN-BOX(試乗したのはN-BOXカスタムターボ4WD)は、強力な64PS/104Nmの直3DOHCターボエンジンを搭載していて、しかも今回のグレードは四輪駆動。ボディーサイズは全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,790mm、ホイールベース2,520mmというスーパーハイトタイプで、その室内空間の大きさ、特に天井の高さやリアの足元の広さには驚かされてしまう。1泊2日の2名乗車だったので荷物はそれほどでもなかったけれど、リアシートをチップアップすればベビーカーを折り畳まずに乗せたり、フラットにすれば大きなママチャリをそのまま積載できるラゲッジの使い勝手はしっかりと評価されているらしい。 キープコンセプトのエクステリアに対して、新型で大きく変わったのがインテリア。特にダッシュボードは二代目がステアリングの上からメーターを見るアウトホイールスタイルでちょっと凹凸の多いデザインだったのに対して、新型はオーソドックスなインホイールスタイルになり、小ぶりだけど四角で見やすい7インチデジタルメーターを採用している。そのため、フロントウインドウとの境界線がフラットになり、自然で見やすい視界が確保されている。助手席前にはちょっとした小物が置けるトレイと、その下には大容量のグローブボックスが設置されているなど、収納場所に困ることはない。