井上尚弥の衝撃KO劇がヒント「潰し方がうまい」 那須川天心が描く前世界王者モロニーの攻略法
対戦候補5人からモロニーを選択「世界に通用するか、しないかわかる試合に」
格闘技戦績47戦全勝(キックボクシングは42戦)でボクシングに転向し、10月の前戦で大差判定勝ち。転向5戦目で初挑戦だった地域タイトルを獲得した。世界ランクはWBA2位、WBC3位、WBO7位につけ、陣営は来年秋頃のプロ8~10戦目に世界初挑戦させることを想定してきた。モロニー戦をクリアできなければ、世界挑戦は遠のくことになる。 今回はジムから初めて対戦候補を出された。5人の中から迷いなく世界王者経験者を選択。「『試合を見ろ』と言われたけど、見ずにモロニーにしました。僕がボクシングをやって以降、初めて名前がわかる選手。ここに来て勝負になる。自分の中でもボクシング挑戦の表明が『生半可じゃねぇぞ』というのが伝わる。実力が本物か、偽物かわかる」と強敵を望んだ。 10月の前戦は前に出てこず、アマ200戦以上の経験のある相手に攻めあぐねた。徐々にリズムをつくり、9回に左ボディーストレートで先制ダウン。再開後も攻勢を強め、反撃に出る相手をいなした。最終10回は偶然のバッティングで左目上から流血。粘る相手に判定勝ちしたが、不完全燃焼だった。 「まだまだ課題が見つかった。そこを復習して、一つひとつのパーツは成長できている。それを繋げたり、距離の修正をしたり、そこを毎日徹底して稽古しています」 かねて自身との対戦を熱望してきた武居が、右肩関節唇損傷で1月24日の初防衛戦を延期した。那須川は「どこのベルトに挑戦するかはっきりしていない。怪我をしてしまいましたけど、運命なのでやると思います。絶対やると思いますよ」と言及。まずは目の前の一戦に照準を合わせた。 「自分が世界に通用するか、しないかわかる試合になる。やっとベルトが見えてきた。ここは落とせない。来年は“対世界”になります。今までは、ボクシングを始めたばかりで『まだこんなもんでしょ』という見られ方。『来年はどういうベルトを獲るか』と見られ方も変わる。 僕より強いと言われる選手がたくさんいる。こういう試合をしてこそ格闘家だし、ナンボだと思う。こういう時の僕はめちゃくちゃいいですよ。久々の感覚です。2025年の一発目。革命の狼煙を上げます」 ○…同興行では、WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)が同級6位ダビド・クエジャル(メキシコ)と3度目の防衛戦を行う。WBA世界同級王者・堤聖也(角海老宝石)が、元WBC世界フライ級王者でWBA世界バンタム級7位・比嘉大吾(志成)と初防衛戦。他のバンタム級王座はIBFに西田凌佑(六島)、WBOに武居由樹(大橋)が就き、日本人が独占している。
THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada