巨人・菅野智之、35歳でのメジャー挑戦は遅すぎではない? 30代半ばで海を渡って活躍した4投手の「前例」
アメリカのスポーツメディア『ESPN』は10月4日、巨人の菅野智之がメジャーリーグに来シーズン挑戦する可能性があることを報じた。2020年オフにポスティング制度を利用してメジャー移籍を検討したものの、契約には至らずに残留した菅野。4年前に一度胸にしまっていた夢を、実行に移そうとしている。 【動画】巨人の大エース・菅野智之の「歴史的な」奪三振シーン 菅野は昨シーズン4勝止まりだったが、今シーズンは復活を果たした。防御率1.67、15勝と好成績を残し、4年ぶり4度目の最多勝のタイトルを獲得。勝率.833と4年ぶり2度目の勝率第1位も手にした。 今月35歳を迎えるため、年齢的にメジャーで通用するのか、そもそもメジャー契約を勝ち取れるのか不安な部分もあるが、30代半ばで成功した日本人投手は少なくない。 まず34歳の時にメジャーに挑戦した巨人の大先輩・上原浩治。1年目のオリオールズでは、登板した12試合全てで先発するが2勝止まり。翌年からリリーフに転向すると覚醒。オリオールズ、レンジャーズで結果を残し、さらにレッドソックスに移籍した2013年の活躍はすさまじい。73試合に登板して、21セーブ、13ホールド、防御率1.09と驚異的な数字をあげ、チームをワールドシリーズ制覇に導いた。 次は上原同様に34歳で海を渡った平野佳寿。2017年オフにダイヤモンドバックスに入団した平野は1年目からフル回転で、日本人投手最多登板となる75試合に出場。防御率2.44とチームの主軸として存在感を見せた。翌年も62試合に登板して、そのタフさをメジャーでもいかんなく発揮。2020年はコロナ禍でのシーズンとなったため、13試合の登板に留まったが、それでもメジャー3年間で150試合に出場した。 また36歳でメジャー挑戦した斎藤隆。2005年オフ、当時在籍していたベイスターズと契約せず、長年の夢だったメジャーリーグを目指して自由契約を選ぶ。ただ、2005年シーズンは3勝4敗、防御率3.82と十分な数字を残せなかったため、獲得に乗り出す球団は表れず、ドジャースとマイナー契約を結んだ。 そこから斎藤は結果を残してメジャー昇格を勝ち取り、その後もチームの期待に応え続けて守護神の座につく。2006年は72登板、防御率2.07、24セーブ、2007年は63登板、防御率1.40、39セーブと驚異的な数字をマーク。40歳を目前にしながらも安定感ある投球を見せ、多くの人に希望を与えた。 さらにドジャースやヤンキースなどMLB通算7年で79勝をマークした黒田博樹も見逃せない。広島からメジャーに挑戦したのは08年からの33歳シーズンだった。安定してローテーションを守り、5年連続2桁勝利を記録するなど、しっかり存在感を示したことはメジャーの舞台でも高く評価された。 このように日本から挑戦し、30代半ばでも中心選手として活躍した選手は多い。それでも、先発として成功したケースはあまりない。菅野が先発を志願するのかはわからないが、先発としてどこまで通用するのかも期待したくなる。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]