夏の全国ベスト4同士が激突した“3位決定戦”に快勝!帝京長岡の3年生が繋いでいく歴史のバトン 高円宮杯プレミアリーグWEST 帝京長岡高校×米子北高校マッチレビュー
高いモチベーションは、立ち上がりのラッシュに現れる。2分。左サイドをスムーズな連携で崩すと、池田のクロスが相手のオウンゴールを誘発。7分にも桑原脩斗のフィードに抜け出した安野が、相手GKの位置を冷静に見極めたループシュートで追加点。さらにその1分後にも、柳田夢輝が放ったシュートをGKが弾いたこぼれ球へ、鋭く反応した安野がプッシュ。ホームチームはいきなり3点のアドバンテージを奪ってしまう。
「立ち上がりの10分で複数得点できたところは今日のゲームの1つのカギだったかなと思います」(古沢監督)。18分にも安野のポストプレーから、2年生アタッカーの渡邉颯が自身プレミア初ゴールとなるチーム4点目をゲット。意外な大差が付く格好で、最初の45分間は終了する。
守備陣に目を向けると、キャプテンの山本圭晋と前節で退場処分を受けた下田蒼太朗という2人のセンターバックが欠場する中、最終ラインはいずれもボランチが本職の桑原、遠藤琉晟、香西が並ぶ3バックを採用。GKもここまで全試合にフル出場していた正守護神の小林脩晃ではなく、プレミアデビュー戦となる1年生の仲七璃を起用するなど、この日はいつもと異なる組み合わせにトライしていた。
後半は4点のリードもあって、攻撃はやや停滞した感も否めなかったが、守備はおおむね安定したパフォーマンスを継続。「少し点差が離れている後半は展開的にもこういうふうになってしまうかなとは思いましたけど、ゼロで終われたというのは凄く良かったですね」(古沢監督)。終わってみれば4-0というスコアでの快勝。帝京長岡にとって“3位決定戦”が実りある90分間になったことは間違いないだろう。
インターハイを経た彼らは、新たな試みに取り組んでいるという。「朝の6時からシュートとかヘディングとかクロスとか、“ポテンシャルトレーニング”と呼ぶ30分の自主練習をやってから、普段の6時半からのトレーニングに入る形にしました。プレミアの監督フォーラムで聞いて、『これはいいな』と思って採り入れたんですけど、“自主練”ではなくて自分のポテンシャルを上げようと。ネガティブな部分よりは、ポジティブな部分を伸ばそうというイメージですね」(古沢監督)。言葉が持つニュアンスへこだわるスタンスに、選手と繊細に向き合うこの指揮官の真摯さが滲む。
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