復興へ祈り…岩手・大槌町から「デコ鮭」200個
東日本大震災で被災した岩手県大槌町の女性たちが布で手作りした 鮭さけ に装飾を施した「デコ鮭」の展示が15日、兵庫県宝塚市売布東の町の「ぷらざこむ1」で始まった。「生まれた川に戻る鮭」のように、被災地の人たちが作った白い無地のものに、国内外の人々が飾りつけて送り返し、支援している。16日まで。 震災による津波で壊滅的な被害を受けた大槌町の女性らでつくる「おおつち おばちゃんくらぶ」などが2013年から続けている。
メンバー11人が縫った白無地の布製の鮭(長さ約12センチ)を希望した人に「放流」。受け取った参加者は思い思いに色をつけたりビーズで装飾したりし、メッセージを添えて返送、生まれた「大槌町に戻る」。それらを展示販売することで、被災地支援に役立てている。 大槌町は鮭が 遡上そじょう することで知られ、握手を意味する英語をもじり、「シェーク」と「シャケ」をかけ、プロジェクト名は「Shake Hand3・11」。毎年500個前後が、届けられる。
宝塚市での展示は、「エフエム宝塚」のパーソナリティーで、大槌町の現状を伝える番組を担当した松本かのんさんが「阪神と東日本の被災地を結ぼう」と企画。会場には、カラフルなデコ鮭200個と応援メッセージが並べられ、訪れた市民がその場でデコ鮭を手作りできるワークショップも開かれている。 津波で自宅が流され、父を亡くしたおばちゃんくらぶ代表の女性(69)は「ハード面の復興は進んでいるが、ソフト面はまだまだ。デコ鮭を通じたつながりを大切にしたい」と話している。