ふくしまジュニアチャレンジ 「元気の種」先人にあり
郷土が誇る先人を地域の活性化に生かす―。福島民報社の第6回小中学生まちづくり大賞(ふくしまジュニアチャレンジ)でグランプリに輝いた児童は、人口減少社会と向き合い、何ができるかを考えた。地元に伝わる歴史や伝統を見つめ、地域に活力をもたらす方法を子どもならではの視点で打ち出した。 ■二本松少年隊墓碑など美化 観光客に魅力伝える 活動部門グランプリ 四本松(福島県二本松北小4年) 城下町福島県二本松市にある中心商店街は空き店舗が目立つ。二本松北小4年の菅野滉斗(ひろと)さん(10)と佐藤祐太朗さん(10)、高鷹煌聖(こうたか・こうせい)さん(9)、熊本嶺士(れいじ)さん(10)の4人は、そんな風景に寂しさを感じていた。 「観光客を増やし、街を元気にできないか」。夏休みに集まり話し合った。公共施設の清掃を思いついたが、諸事情で実現できなかった。頭を悩ませ、二本松少年隊ゆかりの場所での美化活動がひらめいた。
幕末に輝きを放った少年たちの郷土愛は、多くの人の胸を打つ。墓碑などをきれいに保つことが、彼らの思いの継承につながり、地域の魅力再発見になると意見がまとまった。 4人は8月、市内にある顕彰碑や墓の周辺でごみを拾い始め、二本松特産のキクの花を手向けた。二本松藩丹羽家の家紋が描かれた旗も供えた。 今後の参考にしようと市民らにアンケートした。結果を基に地域の魅力を伝えるボードゲームや少年隊のマスコットキャラクターも考案していく。 4人は「二本松の良さを知ってもらえるよう皆で力を合わせて活動を続けていく」と誓った。 ■朝河貫一博士育った地PR 移住者増へ知恵絞る アイデア部門グランプリ 立子山小5・6年(福島市) 福島市の立子山小6年の寺島咲絵(さきえ)さん(12)と5年の高橋寛晃(ひろあき)さん(11)、湯野川真琴さん(11)は立子山地区で育った世界的な歴史学者・朝河貫一博士に注目した。功績を伝える展示や創作太鼓「朝河太鼓」演奏を通じて立子山をPRし、移住者を増やす策を提案した。