米選挙の株式への影響は単純でない、条件反射は禁物-BofA
(ブルームバーグ): 米国の選挙で共和党あるいは民主党が完全に勝利した場合の株式市場への影響はセクターごとに細かく異なるだろうと、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストが予想した。現在は「選別色の強い」相場だと表現した。
サビタ・スブラマニアン、ビクトリア・ロロフ、クォン・オスン氏らストラテジストのチームは顧客向けリポートで、株価にとっては政治よりも企業利益が重要だが、政治は業種の有利や不利を決定づけることができると指摘した。
「共和党の完全勝利なら強気(企業寄り政策と規制緩和で)、民主党の完全勝利なら弱気(増税と価格決定力低下で)と投資家は決め付けて選挙結果に即座に反応するかもしれない」が、実際はそれほど単純ではないと説明。
例としては、民主党の大統領と議会で動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」が禁止されれば米オンラインメディア企業の追い風になる可能性があり、共和党が大統領と議会を掌握した場合には、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)が圧力にさらされる恐れがあることを挙げた。
移民の制限が強化されれば住宅建設業に悪影響が及ぶ可能性があり、中国製品に60%の関税が課されれば、S&P500種構成銘柄の1株当たり利益を3.1%押し下げるだろうとの見込みも示した。
共和党勝利は中小企業にとって大きな恩恵が及ぶと見なされ得る反面、移民制度改革はリスクにもなる恐れがあると指摘。ハリス政権が誕生した場合の法人税引き上げは、大企業よりも中小企業の利益への打撃がやや大きい可能性があるとの見解も示した。
原題:Investors Should Avoid Knee-Jerk US Election Reaction, Says BofA(抜粋)
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Julien Ponthus, Sagarika Jaisinghani