ペダルがあって自転車みたいに見えるが、実は免許が必要なモペット。「自転車かと思った」の言い逃れをどう防ぐ
その目的はルール浸透で違反者の「言い逃れ」を許さず、事故抑止のため積極的な摘発を可能にすることだ。見た目の似た電動アシスト自転車として、自転車のルールで運転して違反になる人が後を絶たず、事故も相次いでいたことが改正への動きを後押しした。 モペットの人身事故と違反摘発はいずれも増加傾向にある。今年1~9月に全国で摘発された違反は1606件。ナンバープレートの非表示が514件と最多で、無免許が319件で続き、自転車のように使用している人の多さがうかがえる。人身事故は53件あった。 ▽モペットと自転車、見た目では区別しにくい 実際、モペットと電動アシスト自転車は見分けづらい。車種やデザインもさまざまだ。警察官も詳しく車体を調べなければ判断できず、手間がかかる。 取り締まりでは、こう訴える人がいた。「これ自転車ですよ。毎回、止められてうっとうしいわ」。警察官が車体調査に協力を求めると、へきえきとした表情を隠さない。モペットのように見えた車両は、調べた結果、自転車だった。
警察官も苦労する見た目の分かりづらさは、誤利用の一因になっている。ネットでは、モペットが「電動アシスト自転車」といった不適切な表記で販売されることもある。利用者に車両区分やルールをよく確認して使用することが求められる一方、販売者など事業者側の責任も重い。 ▽事業者に行動求める 警察庁は以前から事業者に運転免許が必要な車両と明示して販売するよう求めてきたが、対策強化のため11月にガイドラインを作成し、事業者に行動を求めた。 モペットの販売事業者に購入者の免許確認の徹底や自賠責保険の加入対策への取り組みを促した。「ウーバーイーツ」など食事宅配サービス事業者に対しても協力を呼びかけた。配達員が使用する場合は免許を確認し、交通違反があった場合は配達員の資格停止などの措置が必要としている。
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