【2024ふくしま衆院選】直前情勢 福島県内選挙区 新2区 自民、支持者継承急ぐ 立民、後援会フル回転
◆立候補予定者 根本 拓 38 自民 新 玄葉光一郎 60 立民 現 丸本由美子 62 共産 新 高橋 翔 36 諸派 新 福島県中地区12市町村が範囲の新2区は、郡山市を拠点に当選を重ねてきた自民党の元厚生労働相根本匠(73)と須賀川、田村両市などで支持を集めてきた立憲民主党の元外相玄葉光一郎(60)の地盤が一つになった。当初は根本と玄葉の激突となる見通しだったが、9月末に根本が引退を表明。自民の後継候補を含む新人3人が玄葉に挑む形になる。支持動向は交錯し複雑な様相を呈している。 ◇ ◇ 自民党は根本匠の長男で弁護士の新人根本拓(たく)(38)を公認候補予定者に内定した。拓は6日、郡山市内の運動会に顔を出した他、選挙区内で開いた支持者との会合に出席した。「次の未来を切り開く強い気持ちがある。私に託してほしい」と立候補への覚悟を示した。 陣営は匠から拓への支持者の引き継ぎを急ピッチで進めている。大票田である郡山市の連合後援会に加え、匠が「対玄葉」を見据えて須賀川、田村両市と岩瀬、田村、石川の各郡にきめ細かく置いた後援会がそのまま支援に回る。「与党の政策実現力」を掲げ、玄葉支持だった旧3区の農業団体や建設会社などの切り崩しも進める。
昨年の秋以降、拓は旧3区内も含め匠の代理として多くの会合に出席。青年会議所など若い世代の人脈も独自に広げている。選対本部長を務める参院議員の星北斗は「人となりや地元に対する愛情を集会や街頭活動で一人でも多くの人に広める」と力を込める。 「世襲」への厳しい意見もある。党県連幹部は「人格、見識の優れた逸材」と選考の公平性を強調する。陣営は「刷新感」を歓迎するが、ある首長は「政策実現力が強みの匠さんのようになるには時間がかかる」と心配する。玄葉との過去からの付き合いから、自民支持者の郡山のある商業関係者は「今回は表だって応援できない」と語る。 ◇ ◇ 立憲民主党の公認候補の玄葉は6日、須賀川市で会合を開き、総合選対本部を設置した。「日本をつくり直す気持ちで戦うので力を貸してほしい。必ず成果を出したい」と呼びかけた。 大票田の郡山市で昨年からあいさつ回りを重ねてきた。地域によっては地区内を何巡もする徹底ぶりで、後援組織を着実に増やしている。母校・安積高の同窓生や岳父・佐藤栄佐久元知事の支援者らにも協力を仰ぐ。前回旧2区に立候補し、今回は比例代表に回る現職馬場雄基(31)と協調し、若年層への食い込みにも余念がない。