<悠木碧>アニメ「薬屋のひとりごと」インタビュー “ひとりごと”の裏側 第2期はどうなる?
「猫猫は普段、ダウナーだけど、叫べない子ではない。パワーがない子というわけではないと思っています。普段は省エネだけど、意外とガッツがあることが分かる場面です。ここがあったから、後々壬氏を助けに行くシーンにもつながってきます。猫猫は最初から地に足が付いていて、ある程度大人だから、成長の幅が見えにくい子でもあります。だからこそ安心して見られるんです。序盤で見せた感情の起伏が後半に効いてくるような作りになっています。彼女の正義感が見えるシーンなんです。第1話の終わりのナレーションで『ほんの少しの正義感』と言っていますが、その正義感が運命を狂わせていくのですが」
第1期は、猫猫の実の父である羅漢のエピソードがクライマックスを盛り上げた。
「好きなエピソードです。羅漢と鳳仙の話は、猫猫自身はがっつり絡まないのですが、ちゃんとそこには愛情があり、愛に両親が振り回されたことを知っているから、自分の恋愛感情に対して一歩引いています。猫猫のような性格の子にどうやって育つのか?と考えた時、確かにな……と感じるエピソードです。猫猫はすごく変化、成長する子ではありません。周りをきちんと観察していて、彼女の周りの人たちが一歩進み、成長する話でもあります。そんな中で、猫猫の心も少しだけほどけていきます」
◇“壬氏”大塚剛央への信頼感
壬氏とのコミカルなやり取りも見どころの一つだ。媚びない猫猫は、壬氏に対してもブレない。
「壬氏に対しては段々雑になっています。猫猫は猫っぽいんです。懐いたからこそ雑になっていく。そこは甘えなんでしょうね。11話で壬氏が泣いちゃうところで、しゃあねぇな……と受け入れるところも猫です。飼い主がへこんでいる時は、黙ってそばにいてくれるんです」
女性キャストが多いこともあり、収録は「後宮みたい」なのだという。壬氏を演じる大塚剛央さんについて聞いてみると……。
「今は第1期の時よりは仲良くなった気がします。仲が悪いわけではないですよ(笑)。大塚さんは、すごく真面目。特番や取材で一緒にお話させていただくことが増えて、『ゲーム好きなんですね!』みたいな話をするようになってきました。私に対しては『めっちゃしゃべるな!』と思っているのではないかと(笑)。壬氏は、さまざまな表情を意図的に使い分けます。ここじゃなきゃいけないという芝居の範囲が結構狭いキャラクターです。その絞り方が絶妙なんです」