アメフト関学大撃破で両校Vへ 元レスリング近畿2位の立命大DL塚本直人が憧れの舞台で躍動誓う
関西学生アメフト1部の立命大が6日、最終節の関学大戦(10日・万博)に向けて滋賀・草津市内で練習を公開した。現在1敗で2位の立命大は、勝てばすでに優勝を決めている関学大と2年連続の同率V。負ければ、9日に近大と関大が勝った場合、3校による抽選で今季から3位までが出場となった全日本大学選手権(9日~)出場を逃す可能性が出てくる。まさに天国か地獄か。そんな大一番を前に、スターターが予想されるDL塚本直人(4年)=東山=は「(対関学大では)初めてのスターター。シンプルにめちゃめちゃ緊張しています」と素直に心境を明かした。 立命大のアメフト部として試合に出られていることを「ずっと夢の中で生きている気分」と目を輝かせて話した本人が、アメフトを始めたのは大学から。東山高校(京都)では柔道部に所属していた。当時の同部長、現校長・塩貝省吾教諭からの勧めで、柔道と並行して始めたレスリングでは、125キロ級で近畿大会2位。もちろん「大学でもレスリングでも柔道でも、続ける道はあった」と話す逸材だった。 それでも、アメリカンフットボールを選んだ理由は幼いころに感じた純粋な衝撃だった。両親ともにアメフト経験はないが、中学時代に親に誘われて立命大―関学大を観戦。「アメフトってめっちゃおもろいスポーツやん!」。心打たれた、それが全てだった。「(進路を選ぶときに)やっぱり諦めたくないなとなって、やるなら絶対に強いところでやりたかった」と立命大に進学を決意。今ではベンチプレス160キロ、スクワット260キロ、パワークリーン130キロでウェートの数値はチームで一番。「小学校からずっとアメフトをしてきた選手がいる中で、自分はトレーニングが大事だと言い聞かせてトレーニングしてきた」と、こだわってきた努力にも胸を張る。 今度は優勝をかけて、あの日見た舞台に自らが立つ番だ。率直に緊張を口にした180センチ、129キロの大男は「小さいときからスポーツができたのは家族のおかげ。それをしっかり恩返しできるようにしたい」と優しい表情で決意した。何よりも熱くなれたこの世界。チームメート、そして支えてくれた、きっかけをくれた両親へ、思いを姿で表現する。
報知新聞社