30代後半・子持ち夫婦、自宅購入で「35年ローン」開始…“必要な備え”は?⇒「死亡リスクは〈団信+定期保険〉でカバー」「教育費はNISAで」お金のプロがアドバイス
住宅ローンに教育費…大きな出費が重なる30代後半のケース
---------------------------------------------------- ●家族構成 夫:37歳、会社員 妻:35歳、会社員 子ども:11歳 ●悩み 「念願のマイホームを購入! 35年のローンが始まりました。子どもはこれから教育費がかかる年齢ですし、なにかあったらたいへん。ローンの長い道のりを考えると、老後もちょっと心配です。」(夫、37歳・会社員) ---------------------------------------------------- 【回答】団信の保障を見ながら、死亡保障を上乗せ 住宅ローン、教育費と大きな出費が続きます。現在・将来のリスクを踏まえ、必要な保険を選ぶことが大切です。 やはり、死亡は大きなリスクです。とはいえ、いきなり多額の死亡保険に入るのは早計です。住宅ローンを契約するとき、団体信用生命保険(団信)に加入したと思います。これも死亡保障なので、ある程度の住居費はカバーできます。 団信の保障は住宅ローンの残高に呼応するため、返済が終わるころには保障額も少なくなります。団信の契約にもよりますが、夫婦ともに定期保険で補います。 さらに、がん保険でがんに罹患したときの収入減リスクに備えます。 教育費については、NISAを利用します。預貯金だけでなく、投資信託などを持つことでインフレに対応できますし、いざというときも役に立ちます。 老後資金作りはiDeCoをお勧めしますが、ムリのない範囲にしておきましょう。 もうひとつ。35年ローンだと、完済は72歳あたりになります。年金暮らしが始まっても返済が続く状態は、けっこうな負担です。途中で余裕があるときは、繰上げ返済をしたいものです。 横川 由理 FPエージェンシー代表、CFP®、証券アナリスト、MBA(会計&ファイナンス)。お金の知識を広めることをライフワークとして、ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得講座、マネー講座、執筆などを中心に幅広く活動している。 著書に『老後にいくら必要か?』『50歳からの資産防衛術』(すべて宝島社)、『大切な人を亡くしたあとのお金のこと手続きのこと』(河出書房新社)、『保険 こう選ぶのが正解! 2024-2025年版』(実務教育出版)、『知らないだけで損をしている! インフレってなに?』(自由国民社)など多数。 長尾 義弘 ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。 著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)、『お金に困らなくなる黄金の法則』『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』(すべて河出書房新社)、『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)、共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)など多数。
長尾 義弘,横川 由理