収穫が本格化した川島産のマツタケ＝辰野町のタナカストア

　秋の味覚の王様「マツタケ」の収穫が本格化してきた。例年は9月中旬から採れ始めるが、記録的な高温と残暑の影響で3週間から1カ月遅いという。長野県辰野町上島の食料品販売店「タナカストア」の店頭には、上伊那地方の産地として有名な”川島産マツタケ”がずらり。馥郁たる香りが立ち込めている。 　今年は夏に発生する”土用マツタケ”は徐々に入荷していたが、秋の”本マツタケ”の入荷は少なかった。同店にはマツタケ山を所有するキノコ採り名人約10人がマツタケを持ち込むが、夏の暑さから徐々に気温が下がり、適度な降水がマツタケの発生には必要なため、ここにきてようやく本格化した。 　タナカストアは辰野町でいち早く約50年前からマツタケの販売を始めたという。店主の田中健蔵さん（71）は「やっと納得するマツタケが入荷した。色、形、香りとも申し分ない。このまま気温が下がり、雨が降って11月上旬まで発生が続けば。ただ発生が遅かった分だけ、出荷期間は短くなると思う」と話していた。