なんで“普通はわかる”ことが通用しないの、「空気読めない」発達障害の人に上手に気持ちを伝えるコツ
「なぜかいつも周りの人とやることがズレてしまう」「簡単そうに思える意思の疎通ができない」など、さまざまな場面で困りごとを引き起こしてしまう発達障害ですが、その原因について、精神科医の岩瀬利郎氏は「定型発達の人と見えている世界が違うから」だと指摘します。 ではいったい、発達障害を抱えている人の見えている世界とはどういうものなのでしょうか。岩瀬氏の著書『マンガでよくわかる! 発達障害の人が見ている世界』から一部を抜粋・再編集して解説します。 【マンガでわかる】言葉の裏側が読めず、周囲をイラつかせてしまう発達障害の例
■皮肉も社交辞令もまったく通じない 自分なりの強固な世界観を持っていて、相手の気持ちを想像することが苦手だったり、相手の言った言葉を字義通り受け止めがちだったりするASD(自閉スペクトラム症)の人。 多動傾向があるため、人の話を黙って聞いていられなかったり、注意散漫で約束をすっぽかしたりすることがあるADHD(注意欠如・多動症)の人。 発達障害の人は、相手との関係性や反応を読むのが苦手なことが多く、周りが「えっ!?」と驚くようなその場にそぐわないことを言ってしまうときもあります。
常にトラブルの火種を抱えて生きているようなもので、それは本人にとってもつらいことであるのは間違いありません。 特に、日本が育んできた和を重んじる文化では、いわゆる“あうんの呼吸”で、みなまで言わずともお互いに理解し合えることを美徳とする側面がありますが、ASDの人もADHDの人も、「空気を読む」ことが非常に苦手。 そんな本人たちの言動の「なんで?」が理解できれば、イライラせずに受け止めることができるようになるはずです。
※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください ■言葉の裏側が読めず、見当違いな受け答えを ASD の人は、相手の表情や声のトーンから「これは本当の意味ではないな」と察するのが苦手なことがあります。社交辞令やリップサービスを真に受けたり、暗黙のルールがわからなかったりすることも少なくありせん。 ですから、発達障害の人に対しては、伝えたいことは意味通りの言葉でストレートに伝えることが大切です。