皇后雅子さまの"肉声スクープ会見" 週刊誌の元"番記者"が振り返る舞台裏
「同じオックスフォード大学で学んだ雅子とともに」
私は、この"世紀の肉声"を引き出した一人として、会社から10万円の金一封をいただきました。浩宮さま時代からの番記者として、10年ほどがたっていました。 「お妃が雅子さまと決まって、ほんとうによかった!」 雅子さまのご婚約が内定したとき、私は心からほっとしました。雅子さまをオックスフォードまで追いかけてしまったことは、私の心の中でも"ささくれ"のようになっていました。それが、天皇陛下の一途な思いで、世紀の結婚へとつながったからでした。 天皇陛下は、2023年に復刊したご著書の英国留学記『テムズとともに英国の二年間』(紀伊國屋書店)のなかで、こんな一文を加えられていました。 《遠くない将来、同じオックスフォード大学で学んだ雅子とともに、イギリスの地を再び訪れることができることを願っている。》 その願いがいま実現した天皇、皇后両陛下。1993年6月の結婚から31年が過ぎていました。 文/沢田浩 さわだ・ひろし。書籍編集者。1955年、福岡県に生まれる。学習院大学卒業後、1979年に主婦と生活社入社。「週刊女性」時代の十数年間は、皇室担当として従事し、皇太子妃候補としての小和田雅子さんの存在をスクープ。1999年より、セブン&アイ出版に転じ、生活情報誌「saita」編集長を経て、書籍編集者に。2018年2月、常務執行役員パブリッシング事業部長を最後に退社。