日本でこれから「銀行トラブル」が続出する「シンプルな理由」
IT人材が銀行に就職する理由はない
もっとも金融業界が「先端IT人材」をどんなに求めようとも、各業種から引く手あまたのIT技術者にすれば、「なぜ銀行や証券会社に就職するのか」という疑問がついて回るだろう。 優秀な人材であれば、GAFAなど外国の巨大企業に就職したり、起業したりと選択肢はいくつもある。IT人材に対する日本企業の処遇は世界各国と比べて高くない。日本の金融機関をあえて選ぶという人はそう多くないだろう。 既存技術者のリスキリングによる育成も求められるところだが、十分なIT人材の獲得に失敗し、これまで築き上げてきた「信用力」という資産を失うようなことにでもなれば、日本の金融機関は弱体化する。それは日本経済の衰退と同義である。 つづく「日本人はこのまま絶滅するのか…2030年に地方から百貨店や銀行が消える「衝撃の未来」」では、「ポツンと5軒家はやめるべき」「ショッピングモールの閉店ラッシュ」などこれから日本を襲う大変化を掘り下げて解説する。
河合 雅司(作家・ジャーナリスト)