外国人観光客増加の裏で… 旅行サイトで“違法 白タク配車”実態は【WBS】
インバウンドの急激な増加などでタクシー不足が課題となる中、国の認可を受けない形での自家用車などでの違法なタクシー運行、いわゆる「白タク行為」の数も増えています。その裏で外資系の旅行サイトが白タクを配車してしまっている実態があることが分かりました。何が起きているのか現場を取材しました。 12月22日、成田空港。 「今あちらに見えます白いバンですが、白いナンバーです。非常に多くの荷物を積み込んでいます」(松山成昭記者) 本来、客を有償で車で送迎するためには、国の認可が必要です。認可を取っていれば、緑色のナンバーが付きます。ただ、ここに並ぶ車は白いナンバーだらけ。空港にいる緑ナンバーのハイヤー運転手に聞くと、こうした車の中に違法なタクシー営業、いわゆる白タク行為をしている車がいるといいます。 「前よりも増えているのではないか。コロナ禍が明けてから増えている」(ハイヤーのドライバー) 12月半ばには中国籍の男が白タク行為について、道路運送法違反の疑いで逮捕される事態も起きました。交通を専門とするフリーライターの中山智さんは、こうした白タク行為を広げてしまったサービスがあると指摘します。 「日本で日本語で日本人向けにサービスをしているOTA(旅行サイト)が、堂々と白タクを手配するというのはどうなんだろうということで、トライシーで記事を寄稿した」(フリーライターの中山智さん) 中山さんは12月、旅行情報メディア「トライシー」で、外資系の旅行予約サイトが白タクを配車している事例が相次いでいると報じたのです。中山さんが大手旅行サイト「ブッキングドットコム」で羽田空港から有楽町行きのハイヤーを予約すると、中山さんの元に来た車は、白いナンバーでした。認可を得た車ではありません。 「これはタクシー? ハイヤー?」(中山さん) 「友達に頼まれたから行くだけ」(ドライバー) 片言の日本語で友人に代わりを頼まれたから来たと答えました。 「白タクをそのまま普通に通してしまうと、事故が起こった場合保険はどうなるのか。盗難に遭ってしまうケースも出てくる。そのときにどういった補償がされるのか。何かあったときに問題になるのが一番よくない」(中山さん)