外国人観光客増加の裏で… 旅行サイトで“違法 白タク配車”実態は【WBS】
旅行サイト「可能性はある」
実際に旅行サイトで白タクが配車されるのか。テレビ東京の記者も試してみました。 「ブッキングドットコム」のトップページにある空港発着タクシーから予約。当日成田空港にやってきたのは、緑ナンバー。営業許可のある正規の車でした。 既に対策を打ったのでしょうか? ブッキングドットコムに問い合わせてみると「最近、日本において空港送迎サービスを提供するいくつかの事業者が、白タクとして知られるサービスを提供している可能性があることが、明らかになった」と白タクが配車された事例の可能性を認めました。 「必要に応じてタクシーサービスの提供者を一時停止、または除外する措置を講じているが、現在改めて対応を進めている」(ブッキングドットコム) ただ、あくまでも「ブッキングドットコム」は利用者とハイヤー事業者を「仲介している」という立場のようです。 そこで旅行情報メディア「トライシー」での調査で違法な白タクを配車したと名指しされたハイヤー会社に問い合わせると、メールで回答がありました。 「このニュースについて、私たちは真実ではない内容であるため、対応を行うべきだと考えています。ただし、具体的なインタビューに関しては、現時点ではまだ適切な時期ではないと考えており、コメントをすることができません」 どの部分が真実ではないのか。メールにある電話番号にも問い合わせましたが、この会社からの回答はありませんでした。
取り締まりには課題も
旅行サイトの白タク斡旋問題について、行政側はどのような対応をとっているんでしょうか。 「白タクを使うつもりでなくても配車されてきたり、外国人観光客が違法という認識がなく知らずに乗ってしまったというパターンもある。そういったあたり対策として議論されていることはあるのか?」(田中瞳キャスター) 「いま『白タク対策会議』を地方運輸局主導のもと、警察や空港などの施設管理者と連携しながら今後の対策について検討したところ」(「国土交通省」物流・自動車局の村田智紀課長補佐) 国交省は違法な白タクの配車を問題視。まずは啓蒙活動が必要だと考え、空港などでドライバーに白タクは違法というチラシを配るなど、注意喚起をしています。 さらに観光庁は、外資系旅行サイト5社へ「事実確認と事実なら改善」するよう求めています。 「訪日旅行者に対しても啓発活動を実施。そもそも“白タク”が利用されないようにするのが重要」(村田課長補佐) ただ、観光行政に詳しい自民党の武井俊輔衆議院議員は、取り締まりのハードルは高いと指摘します。 「実際は旅行会社のサイトのような体裁を取っておきながら、海外ではオンラインマッチングサイトである。要するに『日本の旅行業法の範疇にはない』ということになると、『対応を法的に求めることができない』ものも中にはある」(武井議員) では違法白タクの配車を減らす対策はあるのでしょうか。 「これは消費者保護の観点なので、当然(日本国内で)登録をしてあろうがなかろうが、実際に旅行サイトの名前を公表することになる」(武井議員) 対応が不十分で悪質な場合、旅行サイトの実名を公表するなど対応を検討していると明かしましたが、実態をつかむのは困難とも。増えてきたインバウンド需要に水を差す事態に発展する前に、実効性のある対策は打てるのでしょうか。 ※ワールドビジネスサテライト