安楽宙斗が衝撃の首位通過で決勝へ 底知れぬ17歳「まだ伸ばせた」リード競技前に決勝進出の珍事 総合では2位に14・9点差の大差
「パリ五輪・スポーツクライミング男子複合・予選」(7日、ルブルジェ・スポーツクライミング会場) 【写真】離れた手 落下する楢崎智亜 まさかの表情で宙に浮く リードが行われ、ボルダーでトップに立っていた安楽宙斗(JSOL)はリード4位の68点をマークし、合計137・1点の首位で決勝進出を決めた。2位を14・9点離す強さをみせた。 他の選手がリードで思うような得点をとれず、圧倒的だったボルダーの成績だけで決勝進出が決まる衝撃の展開。8位以上が確定した中でも、しっかりと4位相当の高度まで登り、他を突き放した。 リード後、断然トップにも関わらず「まだ伸ばせた。悔しいですね。全体のトップですけど、リードの方はまだ余力があったにも関わらずこうなった。残念。僕も待機所で速く落ちた」と語った17歳。楢崎がまさかの予選落ちで決勝は日本人1人に。「日本人は僕1人しかいないので、頑張りたい」と、力を込めた。 五輪初出場となる17歳の安楽。23年に初参戦となったW杯ではボルダー、リードともに年間総合優勝という日本人初の快挙を達成し、メダルの期待を受けて臨んだ。 7月の日本代表の結団式では、「一番になるために五輪に出る。そのために残り1カ月、さらに集中して練習する」と強い決意を示していた。 ◆安楽宙斗(あんらく・そらと)2006年11月14日、千葉県八千代市出身。小学2年生でスポーツクライミングを始め、ユース世代から注目されると、21年にユース世界選手権はリードで優勝。翌22年の同大会でも連覇した。23年W杯では参戦1年目でボルダーとリードともに年間総合優勝。日本人初の快挙となった。168センチ。