サイボウズ社長「コロナ後は生産性も幸福度も上がった社会に」 都内企業、1か月でテレワーク導入率2.6倍
東京都は19日までに、テレワークを導入した都内の企業(30人以上規模)の比率が3月には24%だったのに対し、4月には62.7%に2.6倍増加した、との調査結果を発表した。早くからテレワークを導入しているサイボウズの青野慶久社長は18日夜、小池百合子知事が新型コロナウイルスの感染情報などを発信する都のインターネット上のライブ動画に出演し、「アフターコロナの世界は、もっともっと人々が生産性も幸福度も上げた働き方をする、そんな社会になると思う」と語った。
導入率、会社規模によって差
都の調査によると、従業員数が多い企業ほど導入率が高くなる傾向が浮き彫りになった。具体的には、従業員300人以上の大・中堅企業は4月時点で79.4%がテレワークを導入しているのに対し、100~299人の中小企業は71.3%、30~99人の小規模企業では54.3%となった。一方、3月からの増加率を見ると、中小企業、小規模企業はともに2.8倍にと大幅に伸びた。大・中堅企業は1.8倍だった。 調査結果を受け、小池知事は18日夜、都が配信するインターネット上動画で、青野社長をゲストに招き、テレワークのメリットや、導入を躊躇(ちゅうちょ)する企業に対するアドバイスなどについて聞いた。
青野氏「リターン大きな投資だった」
青野社長は、「東京はいい場所だが、一番つらいのは満員電車ですよね。土地も高いから遠方から来る人が多い。朝と晩に苦痛を強いている、ところもありますよね。(テレワークを取り入れれば)時間も減らせる。本人の身体負担も下がるし、いいところが多いと思います」と指摘。「お互い顔が見えないところで一緒に働くと、メンバー同士の情報共有が進む。いま何やっているの? と仕事の手の内を共有しながら働くことで全体として生産性が上がる」とも話し、導入のメリットを訴えた。 さらに、「もともと(サイボウズは)ITベンチャーということもあって、離職率がひどい時で28%ありましたが、働き方の多様化を進め、いまは8年連続で5%を下回っている。IT企業としては低いところに抑えられている。言い換えると、定着率が上がるから採用効率が上がり、経済合理性から見ても非常にリターンが大きい投資だったなと思う」と続けた。