たった100分で未知の惑星に 降り立ったようなスペクタクル空間に 浅間山を望む、長野・黒斑山ハイクへ
長野と群馬の県境にそびえ、円錐形に長い裾野がのびる姿が美しい浅間山。 じつは富士山と深い関係をもつ山で、浅間山を御神体とする浅間神社の御祭神・岩長姫と富士山を御神体とする浅間神社の御祭神・木花咲耶姫はきょうだいと言われています。また古くから地元の人や旅人にも親しまれ、群馬の小学校では運動会の組分けに「浅間団」と名付けられるほど。 【画像】“和製エーデルワイス”と呼ばれているウスユキソウ。こういった美しい野草と出会えるのがトレッキングの醍醐味。 そんなシンボリックな浅間山を一望できる黒斑山(くろふやま)を訪れるツアーが、アウトドアブランド「アークテリクス」で開催されると耳にし、アウトドア好きのライター平野が参戦! 人間工学に基づき開発されたアークテリクスの快適ギアを身に纏い、登山口から歩くこと2時間弱。そこには、まるで惑星に降り立ったようなダイナミックな景色が広がっていました。
絶景まで片道100分! 初心者も手軽に登れる「黒斑山」へ
上信越自動車道の小諸インターから車で約30分、チェリーパークラインを登ったところにある「車坂峠」が、今回の登山のスタート地点。登山口の駐車場には、カフェやトイレなどを設備するビジターセンターがあるので、初めて登山に訪れた方でも安心です。 今回黒斑山まで案内してくれるのは、長野と北海道を拠点に活動する登山ガイド・照井大地さん。山頂まで片道約100分と手軽なコースではあるものの、登山にリスクはつきもの。とくに夏は暑さ・日焼け対策は必須なので、水分は一人1.5Lを持参。サングラスや帽子、日焼け止めでしっかり日差しから体を守ります。さらにケガを予防するための正しい靴の履き方や、登山の前にやっておくべきことなどをレクチャーしてもらったら、いよいよ山頂に向けて出発です!
短いルートにも見どころ満載。可憐な花や木漏れ日に癒される
黒斑山までの道は、深緑につつまれた樹林帯。湿り気を帯びた不快な暑さに晒される日常とはちがい、からっとした風が吹き抜ける夏の山はとても心地いい。山の中に漂うマイナスイオンと木々が放つフィトンチッドの香りがもたらす癒しの効果を感じながら、静かなトレイルを歩いていきます。 可憐な白い花を咲かせる和製エーデルワイス、鮮やかなオレンジが映えるクルマユリなど、トレイルの脇に咲く色とりどりの花と出合えるのも夏山の魅力です。スマホで写真に収めておいて、あとで何の花だったのか答え合わせをするのも楽しそう。 黒斑山は火山地帯に多く生息するカラマツの希少個体群生地としても知られています。山の中にはカラマツ以外にもマツ科のシラビソも多く見かけるので、見つけたときは葉を指でこすってみてください。レモングラスのような爽やかな香りが心を落ち着かせてくれます。